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巨人が4年ぶりのV奪回を果たせた要因は? 伊原春樹が「阿部采配」を総括 (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

── 坂本選手は阪神との天王山でもいい働きをしました。

伊原 9月22日の試合はスタメンで出場して3打席凡退し、チームも敗れましたが、翌23日は大城卓三の代打で決勝打を打ちました。大事な首位攻防戦で決勝打を放ったのです。23日の阪神戦は、本人曰く「ここで打たなかったら引退しなくてはいけないのかな」と思ったほど、プレッシャーのかかった打席だったそうです。(坂本)勇人は腰を痛めていて、今季は二軍も経験しました。阿部監督もいい場面で勇人を信頼して使いましたが、その期待によく応えたと思います。

【新戦力を積極起用】

── 今シーズンの戦いを振り返って、阿部監督は新人を積極的に起用しました。

伊原 ドラフト3位の佐々木俊輔を開幕戦に「1番・センター」で起用しました(59試合出場)。同じく4位の泉口友汰も66試合に出場し、1位の西舘勇陽は28試合に登板して20ホールドですからね。思いきって起用したと思います。若い選手が積極的に起用されると、ほかの若手にも「オレたちも頑張ろう」といい影響を与える。今年の巨人は、とくに若手にとっては競争意識が高かったと思います。

── ただ外国人の打者には苦労しました。

伊原 ルーグネッド・オドーアが開幕前に二軍調整を拒否して帰国。代わりに獲得したエリエ・ヘルナンデスは好調を維持していましたが、8月にスライディングキャッチを試みて左手首骨折。ただ7月に緊急獲得したココ・モンテスが、長打力こそないですが奮闘しました。そういう意味で、阿部監督にツキがあったのだと思います。

── ヘルナンデス選手の代わりに起用した日本人選手が活躍しました。

伊原 8月中盤から2年目の浅野翔吾を抜擢し、8月14日の阪神戦では満塁ホームランを打ちました。また巨人移籍2年目のオコエ瑠偉も、9月7日のDeNA戦で延長サヨナラ弾を放ちました。好調な選手を見極め、使うことで、チームがうまく活性化していきました。

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