【ドラフト2024】得点力不足解消へ、オリックスが狙うべき強打者はこの4人! 下位でお家芸の社会人即戦力投手も (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko

 ならば、高校生投手は左腕だ。一軍には宮城大弥、田嶋大樹、曽谷龍平といて、今年プロ初勝利を挙げた190センチ左腕の佐藤一麿も、来季はローテーション争いに加わってくるだろう。翻って、ファームは将来型左腕が手薄だからだ。

 高橋幸佑(北照/投手/178センチ・80キロ/左投左打)は、高校3年間で飛躍的に成長。安定感あるフォームから、140キロ前半のストレートとカーブ、チェンジアップの緩急が使えて、球筋が安定しているのも立派な才能だ。

 オリックスと言えば、これまで阿部翔太(2020年6位)、小木田敦也(2021年7位)、高島泰都(2023年5位)、古田島成龍(2023年6位)と、中位から下位指名で社会人投手を獲得。すぐに戦力として起用するのは、もはや "お家芸"と呼んでもよさそうだ。今年もその候補は何人もいる。

 社会人3年目、昨年も候補に挙がった竹田祐(履正社→明治大→三菱重工West/投手/184センチ・96キロ/右投右打)が、コンスタントに実戦で力を発揮できるようになってきた。カーブ、カットボール、フォーク......多彩な変化球を操りながら、今年はピンチの場面で140キロ中盤の速球勝負で切り抜ける"意地"を見た。

 この竹田を即戦力のほしいヤクルトあたりに先に指名されたら、今夏の都市対抗で150キロ台を連発した木下里都(福岡舞鶴→福岡大→KMGホールディングス/投手/183センチ・87キロ/右投右打)でどうか。以前は「九州三菱自動車」として活動していたチームで、大学から始めた"投手"がハマった。まだ肩は使い減りしていないし、中継ぎ、もしくは将来の守護神になれる逸材と見ている。

 もうひとりオススメしたいのが、村上大芽(津名→立命館大→北海道ガス/投手/180センチ・78キロ/右投右打)。社会人2年目の昨季から頭角を現わして、今季はアベレージ145キロ前後の速球と高速フォークを駆使して低めを攻める投球に徹し、都市対抗で優勝候補のNTT東日本を破る大金星。大舞台で、しかも強敵相手に平然と投げられるメンタリティはプロ向き。高校までは淡路島で暮らしていた地元・兵庫の選手である。

著者プロフィール

  • 安倍昌彦

    安倍昌彦 (あべ・まさひこ)

    1955年、宮城県生まれ。早稲田大学高等学院野球部から、早稲田大学でも野球部に所属。雑誌『野球小僧』で「流しのブルペンキャッチャー」としてドラフト候補投手のボールを受ける活動を始める。著書に『スカウト』(日刊スポーツ出版社)『流しのブルペンキャッチャーの旅』(白夜書房)『若者が育つということ 監督と大学野球』(日刊スポーツ出版社)など。

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