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立浪和義が中日でやりたかった野球とはなんだったのか? 里崎智也と五十嵐亮太は「不透明なまま」と厳しい評価 

  • 長谷川晶一●文 text by Hasegawa Shoichi

里崎智也×五十嵐亮太スペシャル対談 前編

「立浪ドラゴンズ」について

 週プレNewsで「里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール!」を連載中のふたりが、webSportivaでプロ野球について本音で語る"出張版"。前編は、立浪ドラゴンズについて。立浪和義監督は9月18日、今シーズン限りでの退任を発表したが、ここまでの3年間をふたりはどう見ていたのか。

巨人戦を終えて東京ドームを後にする中日の立浪和義監督 photo by Sankei Visual巨人戦を終えて東京ドームを後にする中日の立浪和義監督 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る

■課題の「得点力不足」は改善されぬまま

――就任3年目の立浪監督率いる中日は、過去2年は連続最下位で、今季もここまで6位。就任早々、茶髪、長髪、ひげを禁止する厳しい姿勢を打ち出し、その後は「令和の米騒動」「近藤簾さらし投げ騒動」、二転三転した根尾昂の投手専念など、いろいろなことがありました。そしてシーズン終了を待たずに退任が発表されましたが、立浪監督の3年間をどう見ていましたか?

五十嵐 過去2年、そして現在の順位がそのまま物語っている、という感じですよね。なかなかチームの歯車が噛み合わない。去年と比較した場合、僕としては「中田翔の加入がどんな影響をもたらすのか?」に注目していましたが、シーズンを通して出場できたわけではなかったし、思ったよりも得点力は上がっていませんよね。

里崎 チーム得点はリーグワーストの368点(9月29日時点。以下同)で、リーグトップのDeNAとは100点以上の差がついている。課題だった得点力不足は何も解消されてないからね。

五十嵐 ずっと「得点力不足が課題だ」と言われてきたなかで、他球団から放出された中田や中島宏之に頼らざるを得なかったのも苦しかったですよね。あと、ケガ人が多いのもつらい。頼みとなるのはピッチャー陣だったけど、今年は去年ほどよくないですし。そうなると、立浪監督のやりたい野球はやれないですよ。でも、そもそも立浪監督がやりたい野球はなんだったんだろう......それもよく見えなかったですね。

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著者プロフィール

  • 長谷川晶一

    長谷川晶一 (はせがわ・しょういち)

    1970年5月13日生まれ。早稲田大学商学部卒。出版社勤務を経て2003年にノンフィクションライターとなり、主に野球を中心に活動を続ける。05年よりプロ野球12球団すべてのファンクラブに入会し続ける、世界でただひとりの「12球団ファンクラブ評論家(R)」。主な著書に、『詰むや、詰まざるや 森・西武 vs 野村・ヤクルトの2年間 完全版』(双葉文庫)、『基本は、真っ直ぐ──石川雅規42歳の肖像』(ベースボール・マガジン社)、『いつも、気づけば神宮に 東京ヤクルトスワローズ「9つの系譜」』(集英社)、『中野ブロードウェイ物語』(亜紀書房)、『名将前夜 生涯一監督・野村克也の原点』(KADOKAWA)ほか多数。近刊は『大阪偕星学園キムチ部 素人高校生が漬物で全国制覇した成長の記録』(KADOKAWA)。日本文藝家協会会員。

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