里崎智也と五十嵐亮太は低迷した西武をどう見た? 主力のFA移籍と補強問題、今後の再建計画を語り合った (3ページ目)

  • 長谷川晶一●文 text by Hasegawa Shoichi

五十嵐 辻発彦監督の時にV2を達成したけど、あの頃の"山賊打線"は見る影もない。これだけ流出が多いと、資金力勝負になってきますね。資金力不足が、そのまま勝敗に影響している。どうして選手の流出が多いのか、原因を見直さないといけませんね。「所沢は遠いからイヤだ」と不満を持っている選手がいると聞くこともあるけど......。

里崎 でも、あそこに球場があって、みんなが西武線を使って移動しているから、年間10億円ぐらいが西武グループに資金として入っているよね。ベルーナドームに行くためには、電車、バスといった公共交通機関は西武グループを使うことになるでしょ。車で行った場合もだいたい1試合1500万円ぐらいの駐車場代が西武球団に入って、単純計算だけど年間70試合近くで10億円。このお金はでかいですよ。それが選手たちの給料になっているんだから、文句を言っている場合じゃないと思うけどね。

■「ライオンズ再建計画」はあるのか?

五十嵐 シーズン途中で監督が代わって代行監督が就任したり、チームが浮足立っているというか、バタバタしている感じも否めないですよね。

里崎 特に微妙な立場の選手は影響があるよね。不動のレギュラー、一流選手の場合は、誰が監督になってもずっと起用されるわけだから動揺もない。だけど、若手選手やレギュラー未満の選手の場合は、監督が代われば使われる選手も変わるから。

五十嵐 監督が代わると、監督が目指す野球も変わりますよね。選手がそれを理解するまでの時間が必要で、目指すべき方向に合う・合わないがあったり、パフォーマンスが上がる人もいれば落ちる人もいる。その難しさはありますよね。西武の場合は、GMが監督代行になったからそこまで大きな路線変更はなかったと思うけど、どうしてもチーム内の意思統一が乱れてしまうことは避けられない。だからこそ、来年につながるような何か新しい可能性が見つかればいいんですけどね。

里崎 まずは外国人だよ。ヤクルトのホセ・オスナ、ドミンゴ・サンタナみたいに外国人がうまく回れば浮上の芽が出てくる。今年だってアギラー、コルデロで序盤は回っていたわけだから。結局、今年のロッテだってチーム状態がいい時期はグレゴリー・ポランコ、ネフタリ・ソトが好調だった。ちょっと前だったらブレンダン・レアードとレオネス・マーティンだったけど、今の日本の野球はいい外国人野手をふたり獲得するのがマストです。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る