荒木雅博が選出する2024年「ベスト二遊間コンビ」 ニューフェイス続々!

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

 別名「キーストーン」コンビとも呼ばれる二遊間。今季、その二遊間コンビに新鋭選手が台頭し、球界に刺激を与えている。かつて6度のゴールデングラブ賞に輝き、井端弘和氏との「アライバ」コンビで一世を風靡した荒木雅博氏に、2024年の二遊間コンビ事情について語ってもらった。現在、ナンバーワンの二遊間コンビは?

(写真左から)日本ハム・水野達稀、阪神・中野拓夢、中日・田中幹也 photo by Koike Yoshihiro(写真左から)日本ハム・水野達稀、阪神・中野拓夢、中日・田中幹也 photo by Koike Yoshihiroこの記事に関連する写真を見る

【巨人・門脇誠のタフさは大きな武器】

── 現状、セ・リーグにおける二塁手の守備をどう見ていますか?

荒木 過去、ゴールデングラブ賞を10年連続受賞した菊池涼介選手(広島)、そして昨年初受賞の中野拓夢選手(阪神)は、相変わらず好守備を披露しています。ここに割って入りそうなのが、プロ2年目の田中幹也選手(中日)です。昨年は開幕直前に右肩を脱臼し、離脱を余儀なくされましたが、あのスピード感には目を奪われます。一、二塁間の抜けそうな打球に追いつき、そこからどんな体勢からでもしっかり送球できる。選手としてどこまで伸びるのか、大いなる可能性を感じさせてくれます。

── 遊撃手はどうですか。

荒木 門脇誠選手(巨人)は球際に強いですね。それまで長く巨人のショートを守ってきた坂本勇人選手が、サードにコンバートされるきっかけになっただけのことはあります。ルーキーイヤーの昨年はわずか5失策で、今年はすでに4失策していますが、それはレギュラーとして試合に出ている証であり、雰囲気に慣れれば堅実かつ華麗な守備は実証済みですので、さらに期待できると思います。門脇選手は高校1年夏から大学4年秋まで公式戦116試合フル出場と、鉄人ぶりを発揮しています。ショートはセンターラインの軸となるポジションですので、試合に出続けてくれるというのは大きいですよね。

── 遊撃手には、長岡秀樹選手(ヤクルト)、木浪聖也選手(阪神)といったゴールデングラブ賞の受賞経験者がいます。

荒木 プロ4年目の矢野雅哉(広島)の美守にも目がとまります。守備だけで言うなら、彼がセ・リーグトップクラスです。矢野といい、先述した田中といい、亜細亜大出身の内野手は鍛えられていますね。

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