佐々木朗希のメジャー挑戦騒動に広岡達朗の見解は? 「まずは1年間ローテーションを守りきらないと、アメリカに行っても誰も味方しないよ」 (3ページ目)
最後に広岡は、新たなルールづくりが必要だと、声を大にして言った。
「なんで日本のいい選手をメジャーが獲って、メジャーで通用しなくなった選手を日本が獲らなきゃいけないの? 結局、日本は素人が道楽で球団を持っていたツケが回ってきたんだよ。何年も前から叫ばれているけど、このままずっと今と変わらない状態でいたら、佐々木のように『オレはメジャーに行く』って、25歳になる前にどんどん流出するかもしれない。そうなれば、日本のプロ野球は確実にダメになる。こんなわかりきったことをいつまで言わせるんだ。メジャーに行った者は何年間か日本球界に戻れないとか、ポスティングを含めてもっと健全的なルールづくりをしていかないと」
これまでも大谷翔平をはじめ、「日本球界の至宝」たちが次々と海を渡った。広岡は何もせずに、ただ指をくわえて見過ごすことが許せないのだろう。日本球界の尊厳を守るためにも、きちんとルールをつくるべきだと主張する。いずれにしても、本当の意味で転換期に来ているのは間違いない。
著者プロフィール
松永多佳倫 (まつなが・たかりん)
1968 年生まれ、岐阜県大垣市出身。出版社勤務を経て 2009 年 8 月より沖縄在住。著書に『沖縄を変えた男 栽弘義−高校野球に捧げた生涯』(集英社文庫)をはじめ、『確執と信念』(扶桑社)、『善と悪 江夏豊のラストメッセージ』(ダ・ヴィンチBOOKS)など著作多数。
フォトギャラリーを見る
3 / 3