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佐々木朗希のメジャー挑戦騒動に広岡達朗の見解は? 「まずは1年間ローテーションを守りきらないと、アメリカに行っても誰も味方しないよ」 (2ページ目)

  • 松永多佳倫●文 text by Matsunaga Takarin

 佐々木の存在が一躍注目されるようになったのは、大船渡高3年だった2019年春、U−18日本代表合宿で163キロをマークしてからだ。その後、4球団競合の末にロッテ入団を果たすも、当初から体力面を不安視する声が多かった。そのためルーキーイヤーは、一軍はおろか、二軍でも投げさせずに体力強化に励んだ。

 2年目以降は体への負担を考慮して、十分に間隔を空けて登板。2022年は完全試合を達成するなど、才能の片鱗を見せつけたが、プロ入りしてから2ケタ勝利はもちろん、規定投球回に到達したことがないというのが現状だ。

「今すぐアメリカに行って、完璧にプログラムされたトレーニングで体づくりに励みたい気持ちはわからないわけではない。とはいえ順序というものがあるし、ロッテでやってきた4年間は無駄だったというのか? そうじゃないだろう。監督の吉井(理人)がコーチ時代からつきっきりでトレーニングして、球団も過保護と思われても仕方ない育成プランを作成し、体力強化に努めてきた。そこまでしたのは、なんとか育ってほしいと思ったからにほかならない。メジャー挑戦するにしても、応援されて行くべきではないか」

【ポスティングは選手の権利ではない】

 そして広岡は、佐々木が主張しているポスティングシステムについても、こう意見を述べる。

「ポスティングというのは球団の権利であって、選手の権利ではない。自分の意思でメジャーに行きたいなら、FAを獲るしかない。しかも25歳までにアメリカに行くと、マイナー契約しかできない仕組みなんだろ。仮にロッテがポスティングを認めたとしても、中4日で投げられないならメジャーなんて夢のまた夢。メジャーは日本みたいに中6日、中7日で回すことはしないだろうから、当然マイナーで調整することになる。球団も無理にメジャーに上げてケガでもされたら困るし、FA取得も早まるから中途半端な状態では上げない。中4日できっちり投げられる体力をつけてからメジャーに上げ、6年間やったほうが球団側も見返りが大きいはず。

 とにかく20歳ちょっとの選手が、メジャー願望があるからといってごねてまで交渉するなんて、自分の判断ではできないだろう。誰かがうしろで糸を引いているのかは置いておいて、佐々木の球速やポテンシャルだけで議論しても仕方がない。なにより耐久性がいまだ証明されていない投手であり、こういう選手をメジャーは本当にほしいのだろうか。まずは佐々木が、今シーズンをどう戦うかが重要だろう」

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