プロ野球「もったいない選手」15人 屈指の快足、ウエスタン本塁打王らのブレイクに期待 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

入団時は「サニブラウンに勝った男」として注目された日本ハムの五十幡亮汰 photo by Koike Yoshihiro入団時は「サニブラウンに勝った男」として注目された日本ハムの五十幡亮汰 photo by Koike Yoshihiroこの記事に関連する写真を見る

【ケガに泣く球界屈指の快足選手】

 なお、「もったいない選手」の選考対象は、高卒は入団5年目以上、大卒・社会人その他は入団3年目以上の野手としている。投手は実力さえあれば野手よりもチャンスが多い性質のため、除外している。

 前述の「現役ドラフト」という制度ができたことは「もったいない選手」にとっては大きな追い風だ。細川だけでなく、大竹耕太郎(阪神)が大ブレイクするなど、人材活性化につながっている。そこで12月8日に実施される現役ドラフトを前に、約3年ぶりに「もったいない選手」をリストアップすることにした。

12球団もったいない選手2023晩秋編
小幡竜平(阪神/23歳)
宇草孔基(広島/26歳)
中村奨成(広島/24歳)
勝又温史(DeNA/23歳)
増田陸(巨人/23歳)
濱田太貴(ヤクルト/23歳)
石橋康太(中日/22歳)
太田椋(オリックス/22歳)
廣岡大志(オリックス/26歳)
藤原恭大(ロッテ/23歳)
リチャード(ソフトバンク/24歳)
海野隆司(ソフトバンク/26歳)
若林楽人(西武/25歳)
西川愛也(西武/24歳)
五十幡亮汰(日本ハム/25歳)
※年齢は2023年12月1日現在

 真っ先に取り上げたいのは、五十幡亮汰(日本ハム)である。今秋、アジアプロ野球チャンピオンシップで牧秀悟(DeNA)、森下翔太(阪神)が活躍するなか、「本来であれば五十幡もこのなかにいなければならない人材だよな......」と思わずにはいられなかった。

 中央大では牧と同期で、森下の2学年先輩にあたる。身長171センチと小柄ながら球界トップクラスの快足の持ち主で、中学時代には全日本中学校陸上競技選手権大会(全中)で100m走、200m走で二冠を達成。プロ入り時には「サニブラウンに勝った男」というキャッチフレーズが躍った。

 だが、その類まれなスピードは諸刃の剣でもあった。プロ1年目のキャンプ時に左太もも裏の肉離れで離脱すると、その後も腰椎椎間板ヘルニアなど故障が頻発。超人的なスピードに肉体が悲鳴をあげるシーズンが続いている。同期の牧が球界の顔として華々しく活躍するなか、五十幡はプロ3年間で通算103試合、66安打に留まっている。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る