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飯田哲也がパ・リーグGグラブ賞を争った源田壮亮と紅林弘太郎の「1票差」を解説 (2ページ目)

── 捕手は6年連続受賞中だった甲斐拓也選手(ソフトバンク)を、若月健矢選手(オリックス)が37票差をつけ、初めて受賞しました。

飯田 文句なしの受賞だと思います。盗塁阻止率は古賀悠斗選手(西武)が.412で1位、甲斐選手は.329で3位、若月選手は.293で6位でした。しかし、若月選手が中心となって投手陣をリードし、チーム防御率2.73はリーグトップ。キャッチングがすばらしく、ワンバウンドの球もよく止めていました。若月選手は出場92試合ながら、プロ10年目での初受賞。本当によく頑張りました。

 甲斐選手は今季139試合に出場しましたが、チーム防御率3.27は4位。私はソフトバンクのコーチをしていたこともあって、彼のことをよく知っていますし、もっと高みを目指せるということも含め、今年は若月選手でいいと思います。

── 一塁は中村晃選手(ソフトバンク)が4度目の受賞です。

飯田 中村選手の選出についても異論ありません。打球への反応が素早く、捕球技術もあって、一塁送球のワンバウンドキャッチもうまい。一、二塁間の打球をうまく処理して、何度も投手を助けていました。とにかく球際に強い印象があります。

── 二塁は、中村奨吾選手(ロッテ)が3度目の受賞を果たしました。

飯田 セカンドはマーウィン・ゴンザレス選手(オリックス)もうまいですが、彼は一塁も守ります。オリックスは中嶋聡監督の采配で、二塁はゴンザレス選手のほかに安達了一選手、西野真弘選手、大城滉二選手など複数の選手が守り、規定の"試合数71以上"はひとりもいませんでした。

 他球団では、小深田大翔選手(楽天)が今季二塁で77試合出場しましたが、ほかに三塁、ショート、外野も守れるユーティリティープレーヤーです。ソフトバンクの牧原大成選手や周東佑京選手も同様なのですが、複数ポジションを守れると出場数が分散して、それに伴い記者票も割れて、どうしても受賞に関しては不利に働きます。

── 何か妙案はないものでしょうか。

飯田 さすがに2つのポジションで受賞というわけにはいきません。メジャーリーグが昨年から採用した"ユーティリティー枠"を日本も検討していいのではないでしょうか。

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