斎藤佑樹「北海道の人たちに毛嫌いされているんじゃないか...」たったひとりの日本ハムの入団会見に不安を抱いていた (2ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Sankei Visual

【背番号は18でいいよね】

 北海道へ行くにあたっては、もしかしたら僕は北海道の人たちに毛嫌いされているんじゃないかという不安がありました。何しろ高校時代、夏の甲子園の決勝で勝った駒大苫小牧は北海道の高校ですから、それが気になっていたんです。でも札幌ドームではものすごく盛大な拍手で迎えていただきましたし、テレビをつけても好意的に扱っていただいていたので、ホッとしました。

 入団発表は午後3時からだったので、その前に札幌駅に隣接したホテルで契約書にサインをして、大社(啓二)オーナーと梨田監督と父、母とホテルのレストランでランチをしました。梨田さんはやさしい方で、プロ野球の監督ってめちゃくちゃ怖い人なんだろうなという印象があったんですけど、いい意味で近所のやさしいおじさんという感じで、すごく接しやすい方でした。

 大学時代の監督だった應武(篤良)さんと同じくキャッチャー出身で、ピッチャーの意見を受け止めてくれる印象がありましたが、梨田さんも、いつも僕の話をまずしっかり聞いて、しっかり呑み込んでから話をしてくれる方でした。

 背番号については山田(正雄)GMから「18番でいいよね」と言っていただいたのを覚えています。「もちろんです」と即答しました。僕は背番号に対するこだわりは強いほうではないと思っているんですけど、プロ野球のエースナンバーと言われる18番をもらえたということはそれだけの評価をしてもらっているということですから、感謝の気持ちでいっぱいでしたね。

 じつは、とくに強く印象に残っているのはその日の夜のことなんです。入団発表を終えて、サッポロビール園へジンギスカンを食べに連れていっていただきました。球団代表だった島田トシ(利正)さん、あの時はGM補佐だった吉村(浩)さん、あと当時はマネージャーだったのかな......日高(良介)さんも一緒だったんですけど、その日高さんがすごくカッコいい大人だなと感動したんです。

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