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オコエ瑠偉、田中正義は新天地で躍動、藤原恭大はパ・リーグ首位打者 期待を背負って入団したドラ1たちの現在地 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

 ところが、満を持してソフトバンクに入団した田中は、いきなりつまずいてしまう。相次ぐ右肩痛、拙いフィールディングが足を引っ張り、すっかり自信を喪失。誰もがうらやむ潜在能力を秘めながら、片鱗すら見せられないシーズンが続いた。ソフトバンクに在籍した6年間で通算34登板、0勝1敗、防御率4.25に終わっている。

 昨オフにFA移籍した近藤健介の人的補償として、日本ハムに移籍。すると、新庄剛志監督から「笑顔で投げなさい」とアドバイスを受けたのをきっかけに、マウンドでニコニコと笑みを見せる大胆なイメージチェンジを敢行する。

 ここまで5試合に登板し、チームトップの3ホールドと結果を残している。今までの鬱憤を晴らすような投球に、この大器の可能性を信じてきたアマ野球ファンも溜飲を下げたことだろう。調子を維持できれば、プロ初勝利も時間の問題だ。

 2016年のドラフト戦線は高校生投手にも逸材が揃っていた。今井達也(西武)、寺島成輝(元ヤクルト)らとともに脚光を浴びたのが、藤平尚真(楽天)だった。

 中学3年時に走り高跳びで全中2位、ジュニアオリンピック優勝という恐るべきバネを持つ藤平は、横浜高3年時に最速152キロをマーク。将来のエース候補と高い期待を受けて楽天に入団後は、1年目から3勝をマークした。

 だが、ここから藤平の野球人生に暗雲が立ち込める。一時は美しかった投球フォームが影を潜め、ぎこちない投球動作で四苦八苦した時期もあった。

 それでも、地道な取り組みが功を奏して、昨季は4年ぶりに勝利をあげた。今季は初登板となった4月2日の日本ハム戦で6回1失点の好投で1勝目。プロ7年目の逆襲が始まりそうな気配だ。

【2017年ドラフト組の明暗】

 2017年のドラフト会議は清宮幸太郎(日本ハム)、安田尚憲(ロッテ)らスラッガー大豊作年。なかでも前出の村上の大爆発は周知のとおりだ。清宮、安田も首脳陣の辛抱強い起用に応えようと、いよいよ本格開花の兆しが見える。

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