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千賀滉大の穴は「十分に埋められる」 ソフトバンクOBの攝津正が注目する投手と「怖かった」斉藤和巳コーチへの期待 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • Photo by Sankei Visual

――板東投手のストロングポイントは?

攝津 もともとコントロールがいいですし、150kmを超える球威もあります。その上、緩急をつけることができて、落ちるボールもある。先発ピッチャーとしての資質が備わっています。あと、徐々に1軍のマウンドに慣れてきたこともあって、本来の持ち味である制球力がかなり向上していますね。昨シーズンくらいから、思ったとおりに投げられている感覚があると思いますよ。

――昨シーズン最後の試合(10月2日のロッテ戦)は、勝てば優勝という大一番でしたが、板東投手が先発してロッテ打線を5回無失点に抑える好投。そのまま続投かと思いましたが、5回で降板しました。(その後、6回に2番手の泉圭輔投手が山口航輝選手に3ランを打たれて逆転を許し、敗戦。優勝を逃した)

攝津 確かに「あのまま投げさせていたら......」と思えるぐらいのいいピッチングでした。ただ、ああいう大事な試合になると、やはり実績とかがないと任せられないという部分もあると思うので、そこは難しいです。前年にふた桁勝っていたとか、先発ローテーションの2番手ぐらいで回っている力があったりすれば、間違いなく続投だったと思いますが、そこまでの信頼はまだないのでしょう。

――同試合を見ていても思いましたが、板東投手のフォークはかなり有効ですね(昨シーズンのフォークの被打率は.094)。

攝津 そうですね。彼はフォークピッチャーで、カーブもいいです。あとはカットボールやスライダーも投げますし、それらを満遍なく使えて真っ直ぐも150kmを超えるので(昨シーズンの最高球速は153km)、先発ピッチャーとして好条件が揃っていると思います。

 他に注目しているのは、4年目の大関友久投手と9年目の藤井皓哉投手。大関投手は球数が増えても球威が落ちませんし、完投能力が高いです。今季の開幕投手にも抜擢されましたが、「左のエースになってくれたら」というチームの思いがあるんでしょうね。

 藤井投手はリリーフから先発への転向でどれくらいできるかわかりませんが、ある程度は勝てるでしょう。そうなると板東、大関、藤井、3投手の働きで千賀投手の穴は十分埋められるんじゃないかと。

――藤井投手が先発に転向するにあたって、不安はないですか?

攝津 不安は変化球です。スライダーとフォークしかないので、少ない球種でどう抑えていくのか......。キャンプではカーブに取り組んでいましたが、習得まではしばらくかかりそうです。長いイニングを投げなければいけない先発ピッチャーとして、緩急を取り入れようとしているんでしょうね。

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