山川穂高「嫌な思いをたくさんした」5年前からの成長に自信。打倒・メジャーリーガーへ「足を上げて打つフォームは絶対に変えない」
3月8日に開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に臨む侍ジャパンでは、2人の"4番打者"が各国代表の投手陣をどう打ち崩すかが見どころのひとつになる。
「4番は村上でしょうね。(とんねるずのテレビ番組の)『リアル野球BAN』の時に後ろから見ていたんですよ。『うわぁ、すげぇ』と思って。これほど心強い選手はいないでしょう」
侍ジャパンの4番の最有力候補である村上宗隆(ヤクルト)について、そう語ったのが山川穂高(西武)だった。
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【技術的な部分は上がっている】
令和初の三冠王に輝いた村上に多くの注目が集まる一方で、山川もまた球界を代表する長距離砲だ。2018年から2年連続本塁打王を獲得し、昨季自身3度目のホームランキングに輝いた。
山川が日本代表に選出されるのは、2018年の日米野球以来となる。
「その時と今とでは、技術的な部分は上がっていると信じてやります。それでまたどう立ち向かっていけるかは、自分のなかで楽しみのひとつになっています」
2018年のペナントレースで打ちまくった山川だったが、その年の11月に開催された日米野球では苦戦を強いられた。メジャーの投手たちは日本人よりもテイクバックが小さく、そのうえ球威があり、ボールも動く。見慣れない投手に山川はうまく対応できず、スタメンを外れる試合が続いた。
「この経験を生かしていかないといけない。嫌な思いをしたので、たくさん......」
苦虫を噛み潰したように語ったのは、日米野球第5戦のあとだった。
「球が動くのを体が感じて勝手に力んだり、日の丸を背負っているプレッシャーで力んだり、(体の)開きが早くなったり、突っ込んだりしているかもしれないけど......。基本的には普通に打ててないです。僕はもともと引っ張りのバッターなので、センターよりちょっと右に打つ感覚のほうが(ボールとの)接点は多いので、そこを意識しないといけないと感じました」
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著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。