佐々木信也が取材メモを公開。野村克也、王貞治、ダルビッシュ有...名選手が挙げた「怖いもの3つ」の答え (2ページ目)

  • 長谷川晶一●文 text by Hasegawa

【名選手たちの怖いもの3つ】

── 佐々木さんは、選手にインタビューする際に、「あなたにとって怖いものを3つ挙げてください」と尋ねると聞きました。これはどういうことなんですか?

佐々木 今から50年くらい前のことだったと思うけど、ゴルフ雑誌を読んでいたら、サム・スニードという名ゴルファーのインタビュー記事がありました。そこで、「怖いものを3つ教えて?」という質問があったんです。そこで彼は、ライバルの「ベン・ホーガン」と「雷」、そして「下りのパット」と答えたんです。それがとても印象に残っていて、「よし、使わせてもらおう」ということで、プロ野球選手にインタビューする時には、この質問をするようにしたんです。

── 印象に残っている回答はありますか?

佐々木 ちょっと待ってね(と手元の手帳を取り出す)。ここにメモをしているから、いくつか読み上げてみましょうか(笑)。

── ぜひお願いします。

佐々木 まずは野村克也。「キムチ、女房、鶴岡監督」(笑)。キムチが嫌いだったのかな? 女房とはもちろんサッチー(野村沙知代夫人)のことですよね。鶴岡一人監督とはそりが合わないことは有名だったけど、ここにも名前が出てくるんだね。あと、星野仙一は「春菊、ひがみ、攻めないピッチャー」。これもいかにも星野らしいですね。

── その人の個性が出ていて面白いですね。

佐々木 まだまだありますよ。王貞治は「慢心、自分中心に回っている人、感謝のない人」。これはいかにもワンちゃんらしいな。人柄が出るよね(笑)。金本知憲は「らっきょう、ウソつき、コントロールの悪いピッチャー」と書いてあるね。連続試合出場記録を持つ金本にとって、たしかにデッドボールは怖いことですよね。

── 昭和時代だけでなく、平成時代の選手のコメントまであるんですね。

佐々木 ダルビッシュ有もありますよ。彼は「グレープフルーツ、走ること、ジェットコースター」で、稲葉篤紀は「お金、エビ、バッティング練習」だって。お金で苦労でもしたのかな(笑)。

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