史上最強へのラストピースは「88年世代」。ダルビッシュ有、大谷翔平が参戦の侍ジャパンに田中将大、坂本勇人が必要なわけ (2ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Koike Yoshihiro

メジャー経験があり、第2回、3回WBCにも出場した田中将大メジャー経験があり、第2回、3回WBCにも出場した田中将大この記事に関連する写真を見る ダルビッシュからは若い選手への意識が高いことをうかがわせる言葉が聞こえてくるものの、それでもチームをまとめるのにはほかの選手と歳も離れていて、NPBの選手たちにしてみればあまりに恐れ多い存在だろう。そして大谷も会見でこう話していた。

「(自分が)ダルビッシュさんとやるのも楽しみですけど、勉強したいというのは二の次で、勝つことだけを考えてやっていきたいと思います。ほかの選手たちもそういう気持ちを持ってプレーするのがベストじゃないかなと思うので、実際に大会が終わってみて勉強になったと後に感じることはあると思いますけど、やっている時に関しては、そういうことを抜きにして、本当に対等に頑張りたいなと思っています」

 つまりは、大谷は投げて打って、戦力として日本代表に貢献するものの、チームをまとめる立場に立つつもりはない、ということだ。彼はこうも言っていた。

「言葉で引っ張っていくようなタイプではもちろんないので、本当にやることだけをしっかりやりたいと思っています。(日本代表には)そういうレベルの人たちが集まってくるし、誰かに言われてやるような選手ではない。自分たちの役割を個人個人がしっかりとこなしていくというのがいいチームになるひとつの要因だと思うので、やるべきことをしっかりと個人個人がやっていくことだと思います」

 ダルビッシュ、大谷、鈴木が引き上げるのは表に出てくる戦闘力の数値であって、日の丸を背負ったチームというのはそれだけでは成り立たない。だからこそ代表入りに積極的な、かつWBCの経験者でもあるNPBの選手が、投手ではダルビッシュと今永の間に、野手では源田と甲斐の上に、必要ではないかと思うのだ。

【引き出しの多さと国際舞台の経験値】

 それぞれの選手が100パーセントの戦闘力を発揮するための環境を重視する栗山監督は、そのために誰が必要なのかということも考えているだろう。実際、栗山監督はこう言っていた。

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