栗山英樹監督が語るWBCでの選手起用論。「先発投手は4人で十分。5人目の先発は力があるとわかっていても選ばない可能性もある」 (5ページ目)
── かもしれない?
栗山 レフトとか......。
── また、そんなことを(笑)。
栗山 それって普通はできないんだけど、でも、僕だったらやりそうでしょ(笑)。いや、やらないですよ。やらないけど、その発想は持っておかないといけないんです。みんなが一流選手だからこそ、全員にあらゆる可能性があることをイメージしておく。僕がそれはないと思ってしまったら、選手もそれはないと思ってしまう。そうならないために、僕はあらゆるケースを事前に想定しておく必要があるんです。
── キャッチャーについては、秋の強化試合で甲斐拓也選手、中村悠平選手、森友哉選手の3人を選びました。それが基本になるのでしょうか。
栗山 友哉がチームを変わりましたから、そこがどうかですよね。ただ、あの3人のバランスはすごくよかったと思っています。打てる友哉、守れる甲斐、両方できる悠平。友哉は左だし、そこもいい。キャッチャーは3人にしておいたほうがいいので、優勝経験があって修羅場をくぐってきた甲斐と悠平は軸になるとは思っています。あとは友哉次第ですね。僕は、友哉は欠かせないと思っているんだけど......。
【ヌートバーの代表入りは?】
── (ラーズ・)ヌートバー(カージナルスの外野手、母が日本人でWBCには日本代表として出場資格がある)選手についてはいかがですか。
栗山 この前もクリスチャン・イエリッチ(ブリュワーズ、母方の祖母が日本人)の代理人から「どうなってるんだ」と問い合わせがありました。あとはスティーブン・クワン(ガーディアンズ)、ケストン・ヒウラ(ブリュワーズ)、アイザイア・カイナーファレファ(ヤンキース)......カイル・ヒガシオカ(ヤンキース)は未確認だけど、そのほかのみんなは「喜んで出ます」と言ってくれた。すごいですよね、これって。
── イエリッチ選手も?
栗山 ただルール上、どうなっているのかの最終確認が思うように進まなかったんです。今までは祖父母が日本人ならオッケーだったのに、今年のルールでは両親だけになるらしい。そうなるとオッケーなのはヌートバーだけなんですよね。
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