西武がドラフト1位で獲得すべきは大型本格右腕。野手は中村剛也の後釜を担える長距離砲がほしい
成長著しい投手陣にさらに厚みを
昨年、12球団ワースト2位のチーム防御率3.94でパ・リーグ5位に終わった西武。そのせいもあったのだろう。昨年秋のドラフトでは1位で隅田知一郎(西日本工業大)、2位で佐藤隼輔(筑波大)という、即戦力と言われたふたりの左腕を獲得して、投手陣の立て直しを図った。
そして迎えた今季、あれほど"崩壊"が叫ばれていた投手陣が、なんとパ・リーグトップのチーム防御率2.75をマークして、終盤まで首位争いを繰り広げ3位に入ったのだから、プロ野球の世界というのはほんとにわからないものだ。
最速152キロを誇る専修大の大型右腕・菊地吏玖この記事に関連する写真を見る ただ、期待のルーキーだった隅田は1勝10敗、佐藤は3勝4敗......この成績を見ると、彼らが加入したことが大きな理由ではなく、既存戦力を見事に底上げしたことが投手陣の好成績につながったことは間違いない。
しかしシーズン最終盤になって、頼みの投手陣が打たれて敗れる試合が増えた。ということは、まだまだ補強の余地あり......ということか。
増田達至、平良海馬をはじめとして、リリーフ陣の層は厚い。ならば、ドラフト1位は先発陣に食い込める実戦力の高い投手を最優先に獲得したい。
昨年に続いて「左腕」でいくなら、矢澤宏太(日体大/173センチ・73キロ/左投左打)が筆頭だろうが、プロのストライクゾーンになじむまで、少し時間が必要かもしれない。
となれば、エース高橋光成のような大型本格派に食指が動く。それでいて、力みすぎずに変化球を交えて低めで勝負できる菊地吏玖(専修大/183センチ・93キロ/右投左打)ではどうか。140キロの力感で腕を振って、150キロ近い剛速球を投げられるアドバンテージは大きい。
ポスト中村剛也は急務
次に、ポスト中村剛也を探すのも急務だ。一昨年のドラフトで1位指名した渡部健人は、おそらくそのイメージでの抜擢だったと思われるが、今季イースタンリーグでの打率1割台では、10本塁打でも心細い。
右の大砲候補である内藤鵬(日本航空石川/三塁手/180センチ・100キロ/右投右打)は、飛ばす能力は一級品。上位で消える可能性も十分に考えられる。
1 / 2