2022.07.25

ヤクルト村上宗隆の三冠王の確率は「70パーセント」。八重樫幸雄が好調の理由を徹底分析

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Kyodo News

八重樫幸雄のヤクルト前半戦総括 前編
4番・村上宗隆について

村上の好調のカギは「両肩のライン」にある!

――プロ5年目を迎えて村上宗隆選手はさらなる進化を遂げ、三冠王を狙える成績を残しています。今年の村上選手について、八重樫さんはどのように見ていますか?

八重樫 今年、すごく印象的なのが打席でのバッティングフォームなんです。昨年までと比べると、肩のラインがちょっと低くなっている。それが、現在の好成績に結びついていると思うんですよね。

7月20日の巨人戦で特大のスリーランを放ち、ベンチに向かって右手を上げる村上7月20日の巨人戦で特大のスリーランを放ち、ベンチに向かって右手を上げる村上 この記事に関連する写真を見る ――グリップの位置が下がったということですか?

八重樫 いや、グリップの位置じゃなくて、両肩のライン。極端に言えば、昨年までは高い位置でバットを構えていたので、両肩が上がって余計な力が入っているように見えました。でも、今年は肩のラインが下がったことで、バットの軌道が落ちたり、変な形でスイングすることが目に見えて減った。そこが、昨年までとの大きな違いだと思います。

――肩のラインを下げたことのメリットは何ですか?

八重樫 スイングの際の上下動が少なくなったことで、おそらく自分の目でボールを見ている感覚と、実際のボールの軌道とのブレが少なくなったんだと思います。それに、肩の力が抜けているから、ちょうどいいタイミングで止まることもできるし、フォアボールも多い。ここまで打率3割をキープしているけど、今シーズンは長期の不振がないでしょ? 高いアベレージがキープできれば、三冠王の可能性はグッと高まると思いますね。

――現時点で四球数も、出塁率もリーグダントツでトップですね(7月24日時点で75個。2位の巨人・丸佳浩は50個)

八重樫 村上が三冠王を狙うとすれば、打率が一番のポイントになります。打率を下げないためには、「いかにフォアボールを選ぶか?」がポイントになる。何でもかんでも打とうと思わないで、「まずはフォアボールを増やそう」という意識があれば問題ないでしょう。

――現状、それはきちんとできているのではないですか?

八重樫 できていると思いますね。巨人にしても広島にしても、村上に対して徹底的なインコース攻めをして「村上封じ」をしているけれど、それでも彼は無駄球を振ろうとしない。その姿勢は本当にすばらしいです。