川崎憲次郎が選んだパ・リーグ旬の6人。「ふだんはおとなしいけど、マウンドに上がると人が変わる」 (4ページ目)
内海哲也と同じ系統の大関
日本ハムでは高卒4年目の野村佑希も進境著しい。4月後半から主に4番に入り、リーグ6位の打率.279。二塁打の数は21本でリーグ2位、同10位のOPS.730と主軸として十分な成績を残している。川崎氏も高い期待を寄せるひとりだ。
「スイングの軌道がよくて、インコースのさばき方がすごくうまいですね。パンチ力もありますし。日本ハムはこれからのチームなので、将来的にすごく期待しています」
首位を走るソフトバンクは続出する故障者に悩まされるなか、投手陣の新戦力が大関友久だ。2019年育成2位で仙台大学から入団した左腕は昨季途中に支配下登録されると、今季先発ローテーションの一角に定着した。185cm、94kgの巨漢投手は変速的なスリークオーターから最速152キロのストレートを投げ込み、リーグ7位の防御率2.70を残している。
「球自体もいいですが、フォーム的にタイミングを取りづらいと思います。森福允彦まではいかないけど、上から投げてきそうで横から来る感じです。ストレートが速いし、チェンジアップもいいですからね。巨人から西武に移籍した内海哲也はチェンジアップを武器にしていて、スクリューのような軌道を描くから右バッターは打ちにくい。大関も同じ系統ですね」
2013年以来の優勝を目指す楽天では、入団6年目の西口直人がセットアッパーとして高い安定感を発揮している。大阪府立山本高校、甲賀健康医療専門学校を経て、2016年ドラフト10位で入団。野球界の華やかな道を歩んできたわけではないが、特技が将棋の右腕は最速156キロの剛腕で昨季ブレイクした。川崎氏は投手としての姿勢を買っている。
「楽天で一番期待の持てる成長株ですね。ストレートに勢いがあります。ふだんはおとなしくてすごくいいヤツらしいけど、マウンドに上がると人が変わるというか、肝が据わって堂々としている。ふだんと違う自分が出るんでしょうね。去年はビハインドの場面から投げ始めて、今年は勝ちパターンの競った場面でマウンドに上がっています。ピッチング内容もよくなっています」
松井裕樹という絶対的守護神がいる楽天にとって、その前を投げるセットアッパーは大きなポイントと言える。後半戦、マウンドに上がると「人が変わる」剛腕がキーマンのひとりになりそうだ。
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