八重樫幸雄はヤクルトの非常事態に「心配ない」。現役時代を知るユウイチ監督代行、村上宗隆への信頼も熱弁 (2ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Kyodo News

ユウイチ監督代行は、どんな人物?

――髙津監督が不在となり、コーチ陣もファームから昇格して大きく陣容が変わりました。戦い方などは変わるのでしょうか?

八重樫 確かにメンバーは大きく入れ替わったけれど、髙津監督になってから、一軍、二軍の連携はうまくいっているように見えるから、戦い方が大きく変わることはないでしょう。気をつけてほしいのは、コーチ陣が深刻になりすぎて暗くなってしまうこと。あと、選手たちに過度の期待をしてしまうこと。そうしたことは選手たちにとって大きなプレッシャーになりますからね。

―― 一軍昇格後すぐに、並木秀尊選手や、武岡龍世選手がスタメン起用されています。彼らのプレッシャーも大きいでしょうしね。

八重樫 その点は、二軍のコーチ陣が同じタイミングで一軍に昇格したことが、不幸中の幸いかもしれません。若手選手たちにとってはプレッシャーを感じずに済むいい環境だと思いますよ。そもそも、ユウイチも二軍のコーチでしたからね。

――指揮を執ることになったユウイチ監督代行の現役時代、八重樫さんも指導者として一緒にユニフォームを着ていました。どんな性格の方ですか?

八重樫 僕がユニフォームを着ていた頃、ユウイチはまだ日本語が上手じゃなかったんです。まだ読み書きもおぼつかなくて、ほとんどしゃべらなかったんだよね。日系ブラジル人で、ブラジル育ちなのにシャイだった。人見知りというのか、「オレが、オレが」というタイプじゃなくて、じっくり練習に取り組む真面目な性格でした。

――指導をする際に言葉の問題などはあったんですか?

八重樫 当時、ツギオ(佐藤)もブラジル出身で、彼は日本語が上手だったから、彼に通訳になってもらって、細かいニュアンスを訳してもらったりしましたね。ユウイチはとにかく真剣で、浮かれたり、茶化したりすることなく黙々とバットを振っていたし、「一軍に上がるんだ」という意志の強さをすごく感じました。

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