2022.07.14

宮本慎也が選ぶ歴代&現役No.1遊撃手は?「プロレベルに達している選手の3倍ぐらい守備範囲は広かった」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Sankei Visual

 プロ野球において守備の華とも言える遊撃手のポジション。各チームの守備自慢が集うこのポジションで、No.1のディフェンス力を誇る選手は誰なのか? 90年代のヤクルト黄金時代を支え、ゴールデングラブ賞を10回獲得した(遊撃手6回、三塁手4回)名手・宮本慎也氏に、これまで見てきたなかで最も上手いと思った遊撃手、また現役選手で一番上手いと思う遊撃手について語ってもらった。

ゴールデングラブ賞4回の受賞を誇る小坂誠ゴールデングラブ賞4回の受賞を誇る小坂誠 この記事に関連する写真を見る

なんであの打球に追いつけるの?

 評価というのはその人の好みで変わってくるので、意見は分かれると思うのですが、「うまいな」と感じる遊撃手はたくさんいました。川相昌弘さん(元巨人ほか)は僕が目指したところですし、進藤達哉さん(元横浜)、奈良原浩さん(元日本ハムほか)、久慈照嘉さん(元阪神ほか)のキャッチング、フィールディングも「さすがプロ」でした。

 僕と近い世代では、石井琢朗(元横浜ほか)はスローイングが抜群に安定していて、松井稼頭央(元西武ほか)は強肩を生かしたカットプレーがすごかった。井端弘和(元中日ほか)、金子誠(元日本ハム)もミスの少ない選手でしたし、いいショートはいっぱいいましたね。

 そのなかでも抜けてうまかったのが小坂誠(元ロッテほか)です。打球判断や一歩目の反応は僕も負けていないと思っていましたが、小坂にはプラス脚力がありました。極端に言えば、プロのレベルに達している選手の3倍ぐらい守備範囲が広かった。決して強肩ではなかったですが、投げミスも少ないですし、圧倒的なスピードでカバーしていました。

 ヒットになりそうな打球でも、サッと追いついて簡単にアウトにしてしまう。一見、なんでもないプレーに見えるのですが、グラウンドレベルで見ていたら「なんであの打球に追いつけるの?」と驚きしかなかったですね。僕のなかではNo.1遊撃手は小坂ですね。

 僕ですか? 僕は徐々に......の選手でしたからね。それこそ野村克也さんに「ゴロを捕って投げるだけの選手」と言われていましたから。周りが見えて、それが徐々に蓄積されていったというか、脂が乗りきっている時は、まあまあ自信はありましたけど......。