鍬原拓也が「クビも覚悟した」育成契約。菅野智之の「点ではなく線で」の助言に新発見があった (5ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Sankei Visual

 今季の巨人は8回を鍬原、9回は大勢とフレッシュなドラフト1位コンビが試合を締めくくる機会が増えている。しびれる場面で結果を残した投手には、スタンドから惜しみない拍手が送られる。今季はその快感を味わえているのではないか。そう聞くと、鍬原は笑顔でこう答えた。

「この2〜3年、そういうのがまったくなかったので......。コロナもありましたしね。お客さんがいて、僕が抑えて、喜んでもらえて、声援をもらえるのはものすごく気持ちいいですし、抑えてよかったなと実感します」

 楽あれば苦あり。長いシーズンを戦えば、必ずしもいいことばかりではないだろう。それでも、地獄をくぐり抜けてきた鍬原には、逆境をものともしないだけのたくましさが備わっているはずだ。

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