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「投げすぎ」か「投げなさすぎか」。球数制限がすべてではなく、近年は「過保護すぎる」側面もある (5ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Koike Yoshihiro

 球数制限で防げる故障もあるが、その視点だけでは抜け落ちるものもある。重要なのは、両面を知ったうえで個々の最適解を探っていくことだ。

 メジャーリーグでは日本のようにブルペンで100球も投げることはないが、あまり伝えられていない一面もある。高島トレーナーはワシントン・ナショナルズで働いた際、アメリカ流のアプローチを知った。

「ブルペンではそれほど投げないけど、フラットピッチで投げる選手は多いです。『力を入れてたくさん投げなさい』ではなく、キャッチボールとか力まないなかで感覚をつくる作業は大事だと思います。数だけを決められると"数をこなす"になりがちですが、中身が伴ってほしい」

 なぜ、"投げすぎ問題"が議論の的になるのか----。

 くしくも高校野球の「1週間に500球以内」という規定の有効性に"答え"が出た今、あらためて野球関係者はこの問いと向き合うべきだ。

第7回につづく

(一部敬称略)

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