野村克也、城島健司、甲斐拓也、そして松川虎生...なぜパ・リーグは高卒出身の「名捕手」が多いのか (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro

中尾孝義(専修大→プリンスホテル→中日1980年ドラフト1位)
実働13年/980試合/通算699安打/109本塁打/335打点
100試合到達=1年目(116試合)
ベストナイン2回/ゴールデングラブ賞2回/MVP1回

谷繁元信(江の川高校→1988年大洋ドラフト1位)
実働27年/3021試合/通算2108安打/229本塁打/1040打点
100試合到達=5年目(114試合)
ベストナイン1回/ゴールデングラブ賞6回

古田敦也(立命大→トヨタ自動車→1989年ヤクルトドラフト2位)
実働18年/2008試合/通算2097安打/217本塁打/1009打点
100試合到達=1年目(106試合)
ベストナイン9回/ゴールデングラブ賞10回/MVP2回
首位打者1回/最多安打1回

矢野燿大(東北福祉大→1990年中日ドラフト2位)
実働20年/1669試合/通算1347安打/112本塁打/570打点
100試合到達=8年目(110試合)
ベストナイン3回/ゴールデングラブ賞2回

阿部慎之助(中央大→2000年巨人ドラフト1位)
実働19年/2282試合/通算2132安打/406本塁打/1285打点
100試合到達=1年目(127試合)
ベストナイン9回/ゴールデングラブ賞4回/MVP1回
首位打者1回/打点王1回

 パ・リーグは5人中すべてが高卒なのに対し、セ・リーグは11人中9人が大学・社会人出身である。

捕手獲得のポイントは?

 かつてヤクルトでスカウトとして活躍した矢野和哉氏に捕手獲得の条件を聞くと、こんな答えが返ってきた。

「優先順位をつけるのは難しいですが、やはり1に強肩、2にリード、3にバッティングとなると思います」

 捕球してから二塁到達までのタイムが、1.8〜2.0秒までがいわゆる"強肩捕手"と言われているが、前出の16捕手はほとんどが強肩だった。野村は、本人が卑下するほど盗塁阻止率が悪くなったし、なにより投手のクイックモーションを編み出した。達川も地肩は強くなかったが、捕球してからのスピード、送球のコントロールに定評があった。

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