スカウトが悩んだ日本ハムドラフト8位・北山亘基の「完成度」。武器は、考える力とピッチングへの好奇心 (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Sankei Visual

「そこが嫌われたのかもしれませんよ。"完成度"という言葉をスカウトは2通りに使いますから。高いレベルで条件が揃っていて、すぐにでもウチの投手陣で使いたいという意味と、大きな欠点はないけど、どれも平均という場合です。北山の場合、どちらかといえば後者に入ってしまいやすいタイプかもしれないですね」

 2015年に巨人ファンが集まるイベントに呼ばれたことがあって、その年のドラフト1位・桜井俊貴の"本当の評価"について質問を受けた。

 そこで「大きな欠点は見えないが、今の力でどこまで勝負できるか」という趣旨のコメントをして、えらくブーイングを受けたことがある。要するに、大きな伸びしろは感じないという意味だ。

【今の日本ハム投手陣のなかに働き場所はあるか?】

 実際、大学や社会人を出てプロに入ってくる選手にはそうしたタイプもいる。しかし、北山には大学生らしい伸びしろを感じている。

 高校時代より力感が出てきたとはいえ、まだまだ体は薄い。現在の身長、体重は「182センチ、80キロ」。数字的には均整がとれているように見えても、ユニフォーム姿のシルエットを見ると、もっとパンパンになってもいい。

 プロの食事とトレーニングで飛躍する余地は十分あって、今の上質なストレートの破壊力がさらにアップして、速球で勝負できる投手・北山の未来像が見えてくる。

 聞いた話だが、北山はピッチングに対しての好奇心、向上心が旺盛だという。こういう投手は、プロに入って劇的な変化を遂げることがある。

 なにより重要なのは、今の日本ハムに「働き場所」があるかどうかだ。これは1年目から活躍できるか否か、大きな問題である。

 今シーズン、広島の栗林良吏は不在だった抑え役にピタッとハマり、阪神・伊藤将司も不足していた左の先発として活躍した。

 日本ハムの先発投手陣を見ると、上沢直之が12勝、伊藤大海が10勝をマークするなど、二本柱は盤石だ。ただ、そのあとは加藤貴之が6勝、バーヘイゲンが5勝、立野和明が4勝、河野竜生が3勝と、4人で20勝に届いていない。言い換えれば、3番手以降はいつでもチャンスがあるということだ。

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