高木豊が今季パ・リーグの外国人選手たちに辛口評価。唯一評価が高かったチームは? (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

ソフトバンク【△】

 今季も主軸として期待されたキューバコンビが誤算。ジュリスベル・グラシアルは開幕4番を務めるも、右手薬指の骨折で早々に離脱。アルフレド・デスパイネは終盤に本来の打撃を取り戻すも、シーズン通しての活躍はできなかった。リリーフのリバン・モイネロの安定感は健在だったが、デスパイネと共に東京五輪予選で一時離脱したこともチームにとっては苦しかった。

「ソフトバンクは、グラシアルやデスパイネ、(リバン・)モイネロら質のいい助っ人外国人がいますが、今季の働きは例年の半分くらいでした。特にグラシアルの早期離脱は痛かったですね。(ウラディミール・)バレンティンに関してはほとんど試合に出ていませんし、あの成績では厳しいです(22試合出場、打率.182、4本塁打、9打点)。

 投手で頑張っていたのは、モイネロはもちろんですが、(ニック・)マルティネスですね。シーズン後半に打線があれだけ打てない状況で我慢強く投げていましたし、常に試合を作っていました。9勝(4敗)していますが、内容を考えればもっと勝っていてもおかしくないです」

【主な助っ人外国人の成績】
(野)グラシアル 37試合 打率.304 5本塁打 15打点 出塁率.360 OPS.817
(野)デスパイネ 80試合 打率.264 10本塁打 41打点 出塁率.373 OPS.810
(投)マルティネス 21試合 9勝4敗 防御率1.60 QS率95.2
(投)モイネロ 33試合 1勝0敗  14ホールド5セーブ 防御率1.15

日本ハム【×】

 先発ローテーションの一角として期待されたロビー・アーリンは、11試合の登板でわずか2勝。昨季8勝を挙げて期待されたドリュー・バーヘイゲンは5勝にとどまった。一方で、セットアッパーのブライアン・ロドリゲスは24ホールドを挙げるなど一定の活躍を見せた。

「野手の(ロニー・)ロドリゲスは、見ていて期待感がありませんでした。王柏融(ワン・ボーロン)はやっと日本の投手にアジャストしてきた印象ですが、もともと4割打者ということで鳴り物入りで来たわけですから、今季の成績が日本でのキャリアハイでは物足りません。

 バーヘイゲンは5勝ですが、優勝争いをしていたオリックスとロッテを相手に10月は好投が続いていましたし、後半は頑張っていましたよね。セットアッパーのロドリゲスは47試合に登板していますし、24ホールドで防御率2.74は及第点です。日本で4年間投げているので日本の打者にも慣れてきています。来季も契約したようですし、今季以上の活躍が期待できるのではないでしょうか」

【主な助っ人外国人の成績】
(野)王柏融 95試合 打率.242 9本塁打 48打点 出塁率.322 OPS.750
(投)バーヘイゲン 20試合 5勝8敗 防御率3.84 QS率26.3
(投)ロドリゲス 47試合 0勝2敗 24ホールド 防御率2.74 

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