ヤクルト高津監督がリーグ制覇へ勇気が必要だった決断。勝つために休ませたマネジメント術とCS突破へのキーワードも語った (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

── 配置転換の時など、選手へはどのような言葉を?

「降格ではないので、いいことしか言わないですね。『チームが勝ちたいからこそ、そこに置くんだ』と必ず伝えます」

── 選手に励ましのLINEを送ることもあると聞きました。

「LINEはたまにですね(笑)。重要なことは絶対に監督室に呼んで話します」

── 終盤は、高津監督が選手たちに言った「絶対に大丈夫」という言葉がチームのお守りのようになりました。また、審判の判定に試合後も抗議を続けたこともありました。そのような立ち居振る舞いは、誰かの影響を受けたものなのでしょうか。

「ミーティングで野村(克也)監督の話をさせてもらうことはありましたけど、誰かの影響で......ということはありません。自分のなかで、ここで元気が出る言葉をかけることができたらなというタイミングだったんです。(9月13日の)中日戦での抗議は、選手も僕も納得がいかなかったので。試合には負けましたけど、少しでもそのことで前向きになってくれたらいいなという考えはありました」

── 去年の話ですが、チームが最下位に沈んでいる時に「絶対に流れはくると思っています。それまでしっかり我慢して、準備して、努力することを続けていきたい。チームがお祭り騒ぎのなかで野球ができる瞬間を待っています」と話されていました。今年、それが実現できたのではないでしょうか。

「結局、勝つことでそこに近づくことなんですよね。選手が頑張って勝ちがつくと、自然とそういう状態になります。そこで僕がベンチでムスッと座って、みんなの足を引っ張ってはいけない。僕も一緒に野球を楽しんで、一緒に勝負に絡んで喜んだり悔しがったりするのはチームとして大事なところかなと思っています。

 なにより、チームにはお祭り好きが多いですよ(笑)。先輩・後輩など関係なく、みんなでエンジョイしながらも勝負には厳しい目を持って、グラウンドに立ってくれています。ただ僕自身は、とくに終盤は喜怒哀楽を出しすぎました。ベンチでぶつくさ言ったり、カメラの前で派手に喜びすぎたり......そこは反省しております(笑)」

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