阪神が初の日本一となった1985年。胴上げ投手ゲイルが語る当時のタイガース「マユミはメジャーでも通用した」
今年のペナントレースをセ・リーグ2位で終えた阪神。11月6日からは日本シリーズ出場をかけたクライマックスシリーズが始まる。
阪神が日本一に輝いたのは1985年。36年経った今でも、胴上げ投手となったリッチ・ゲイルのもとにファンから頻繁に手紙が届くという。
「いつも『下手な英語ですみませんが......』で始まり、写真や記事の切り抜きなどを同封してくれます。たまに甲子園球場の写真を送ってくれる方もいて、とてもうれしいです。なかには、『サインください』というのもありますね(笑)。この前も返事を書いて、送り返しました」
1985年の日本シリーズ第6戦で完投勝利を挙げ、阪神初の日本一に貢献したリッチ・ゲイルこの記事に関連する写真を見る 1985年11月2日、阪神タイガースと西武ライオンズの日本シリーズ第6戦。阪神が9対3とリードの9回裏二死、伊東勤が放った打球はワンバウンドでピッチャー前に転がってきた。ゲイルが捕球して一塁へ送球すると、その瞬間、阪神は球団創設初の日本一を決めた。
現在67歳のゲイルは、アメリカ・サウスカロライナ州で46年間連れ添ったスー夫人と元気に暮らしている。
日本一の翌年にゲイルは現役を引退し、その後、ボストン・レッドソックスやミルウォーキー・ブルワーズなど複数のメジャー球団で投手コーチを務めた。2011年にリタイヤし、今は釣りや高校野球の審判をするなど、楽しく過ごしている。
そんなゲイルだが、熱狂的な阪神ファンのおかげで、36年前の出来事をいまだに身近に感じているという。
「2009年にナショナルズのマイナーでコーチをしていた時、レイズ傘下のチームと対戦しました。練習中、突然相手ベンチからひとりの日本人選手が笑顔で私のもとにやってきて、『日本一ありがとう』って言ってくれたんです。当時彼は現役で、まだ若かったからびっくりしました。阪神が日本一になった時、彼は7歳だったそうで『一緒に写真撮ってくだい』と言ってくれて、熱く握手も交わしました。その彼とは、アキ・イワムラ(岩村明憲)です。とてもうれしかったです」
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