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阪神が初の日本一となった1985年。胴上げ投手ゲイルが語る当時のタイガース「マユミはメジャーでも通用した」 (3ページ目)

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • photo by Sankei Visual

 ゲイルはその決意どおりの働きを見せた。先発登板33試合、投球回190.2、勝利数13はいずれもチームトップ。その活躍が認められ、日本シリーズでは第2戦と第6戦の先発を任された。

 第2戦はゲイルが7回1失点の好投で、阪神が2対1で勝利。そして日本一を決めた第6戦は完投勝利。優勝できるチームだと思っていたが、想像できなかったのは阪神の選手やファンの歓喜する姿だった。

「球団史上初の日本一ということは知っていましたが、多くのチームメイト、球団関係者が泣いていることに驚きました。メジャーでも泣く人は珍しくありませんが、日本人は感情をあまり出さないと思っていたので......。ファンの姿も感動的でした。開幕当初から応援歌を歌ったり、メガホンで叫んだり、阪神ファンはすごいと思っていましたが、日本一になってさらに熱を感じました。どこに行ってもファンの方が喜び、感謝してくれて、初めて日本一になった重みを感じました」

 ゲイルはあらためて日本一の瞬間を振り返った。

「伊東が放ったピッチャーゴロをキャッチした私は、一塁のランディと互いに微笑んでいました。ランディに送球しながら思ったことは、私たちはこのチームを日本一にさせるために呼ばれたんだと。それが証明できて、本当にうれしかった。次の瞬間、クレージーになりました(笑)」

 そして最後にゲイルはこう言った。

「あれ以来、阪神は日本一になっていないと聞きました。だからこそ、今年はなんとか日本一になって、ファンと喜びを分かち合ってほしいですね」

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