39歳のヤクルト青木宣親はなぜ灼熱の戸田で「7日間の猛練習」を敢行したのか (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

「ちょっとキャンプっぽいですけど、普段やれないことができますよね。(内野ノックを受けたことについては)ひざを曲げて、腰を落とす動作をすることで下半身の強化につながります。そういう意味では、なにかきっかけとなるものを探せる時間でもあります。シーズン中は試合に出ながらなので、それをするにはリスクがある。オーバーワークでケガをすることのほうがよくないですからね」

 チーム練習が始まると、青木はこの日も鬼気迫る表情でバットを振った。チームメニューを消化しても、「打てる場所はないか」と探して歩く。宮出隆自ヘッドコーチは、そんな青木の姿に「まだ打つの?」とあきれた表情で笑う。

 宮出ヘッドは、今回の中断期間についてこのように語った。

「この1カ月はすごく大事だと思っています。ベテランやレギュラーの選手たちは、しっかりリフレッシュしてもらいたい。逆に試合に出ていない選手はしっかり練習して、彼らを追い抜けるようになってほしいと思っています」

 青木にとっては、猛練習で自らを追い込むことが最高のリフレッシュなのだろうか。

 4日目も8時前の30分のポール間走から始まり、ストレッチと強化トレ。チーム練習では"修行僧"のごとくバットを振り続けた。チームメニューを消化した後は、自主練としてロングティーを行なった。

 ロングティーを眺めていると、ほとんどの打球が高い放物線を描いてライトポールに集まっていく。トスをあげる杉村繁打撃コーチが何度も「おぉー」と声を出すほどで、自分のイメージする打球を実現できているのではないか。

「まだ自分の納得いく打球ではありませんが、後半戦で勝負をかけられるように、そこでチームの力になれるようにとは思っています」

 グラウンドの気温が40度近いなか、練習時間のほとんどをバッティングに費やした。

 5日目、6日目も8時前にやって来て、30分のポール間走にストレッチ、強化トレで汗を流した。ちなみに今回の戸田での練習では、ほかにも石川雅規、内川聖一、新外国人のホセ・オスナがランニングする姿もあった。

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