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高津臣吾のクローザーとしての精神面のすごさ。八重樫幸雄「誰にもマネできない一流のものがあった」 (3ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

【類まれなる「切り替え力」】

――もちろん、反省しないとか、落ち込まないということではないと思います。そういう悩んでいる姿を人前では見せないということですか?

八重樫 そうですね。たとえば、臣吾が打たれてチームが負けたとするじゃないですか? そうすると、黙ったままクラブハウスに戻ってきます。さすがに10分、20分はその日の反省をしているんだけど、それ以降は何事もなかった顔でスッと家に帰る。もちろん、悔しくないはずはないんです。でも、それを表に出さない。それが臣吾のいいところですよ。クローザーとして必要不可欠な要素だと思いますね。

――結果が良くても、悪くても、すぐに「切り替える」というのはクローザーにとってすごく大切な要素ですね。

八重樫 ヤクルトのクローザー時代もそうだったけど、後にメジャーに行ったり、台湾や韓国でプレーしたり、最後には独立リーグにも行った。どんな環境下であっても、それを受け入れて、黙々と自分のやるべきことをやる。それは彼の「切り替え力」があるからこそだと思うんです。

――なるほど。先日、高津監督にインタビューした際に、コロナ禍による選手離脱について質問した際も、「いない選手のことを言っても仕方ない。いる選手でできることをするだけだ」とおっしゃっていました。それもまた「切り替え力」の一環ですね。

八重樫 本当にそうですね。監督になってからの臣吾を見ていると、ますます切り替え力が増してきているように思うんだよね。彼がヤクルトの監督に就任することが決まったとき、僕はすごく嬉しかったんですよ。

――どうしてですか?

八重樫 「臣吾なら、絶対にいい監督になる」って思ったからです。僕が見てきた臣吾の経歴や考え方、野球への取り組み方を考えたら、すごくいい監督になれると。僕はいろいろな監督の下でプレーしたり、コーチをやったりしたけど、臣吾は三原脩さんタイプですね。

――「名将」と謳われた三原脩監督タイプなんですか? ぜひ、詳しくお聞きしたいんですが、そろそろ紙幅も尽きました。この続きは、ぜひ次回にお願いします。

八重樫 今年のヤクルトは頑張っているよね。ぜひ、臣吾について次回もお話します。

(第67回につづく>>)

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