「東大だからプロ野球選手になれた」ヤクルト宮台康平が語る青春と今 (4ページ目)

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • photo by Sankei Visual

 こうして、東大野球部に入部。東大での文武両道は、湘南高校の延長で、やることはあまり変わらなかったそうだ。

「何より、勉強も野球も好きなんです。わかるようになって、うまくなるのが楽しい。まわりからはストイックだと言われることもありましたが、自分では当たり前のこと。習慣になっていたのかなと。

 自分がプロ野球選手になれたのは、東大に入って六大学で活躍できたから。そうやって逆算して考えてみると、勉強があったからこそ、選択肢も広がったと思います」

 宮台は、「文武両道とは『手段』である」とも言う。つまり、勉強も運動も両立していくことで、選択肢が増えていき、自分に向いているものが見えやすくなるのだ。

「勉強と運動を両立させている小中高生に伝えたいことは、両方とも自分で課題をもって頑張る点は同じということですね。違うのは、課題を解決するために、体を使うか、頭を使うかだけ。やっていることは本質的には一緒ですから」

 最後に、現在の課題を聞くと、宮台は迷いなく、はっきりと答えた。

「極めてシンプルです。強い真っすぐと、打ちにくい変化球を自在に投げられるピッチャーになりたい」

 東大で「文」を体現した宮台は、プロ野球の世界で「武」の極みを追求している。

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