絶賛売り出し中の若手投手12人を山本昌が徹底分析。新人王、2ケタ勝利も狙える (6ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

伊藤将司(阪神/1年目・24歳/左投左打/2020年ドラフト2位)
2試合/1勝0敗/防御率2.25

 春先から伊藤くんの評判がよく、楽しみにしていました。外国人選手がコロナ禍の影響で来日が遅れ、高橋遥人くんが故障離脱した背景もありましたが、チャンスを見事にものにしましたね。

 グラブ側の右腕を高々と掲げ、左腕の見づらいフォームで小さな変化球がキレる点がすばらしいと感じます。狭い幅に体を通して、ストライクゾーンへと真っすぐに踏み出せているので、コントロールに苦労しないはずです。今年の阪神は投打が噛み合っていますし、勢いに乗ったら2ケタ勝利も見えてきます。

奥川恭伸(ヤクルト/2年目・20歳/右投右打/2019年ドラフト1位)
2試合/1勝1敗/防御率7.20

 星稜高校時代から取材させてもらい、個人的に思い入れがある選手です。現時点では同期のオリックス・宮城くんに水をあけられた感はあるものの、いずれは佐々木朗希くん(ロッテ)と並んで世代トップを走ってほしい逸材です。今春のキャンプからすばらしいボールを投げていましたし、高卒2年目でプロ初勝利を挙げたのですから、上々のスタートを切ったと言えるでしょう。

 今はまだ、全体的にボールが高めにいく投げ方になっています。体の向きが高めに強いボールが行くような形になっているものの、低めには球威のあるボールが行かなくなっているのです。これがボール一つ分でも下がってくれば、すぐに勝てる投手になるはずです。もともと試合をまとめる能力は持っている投手ですから。

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