佐藤輝明、大ブレイクに一抹の不安。阪神ドラフト1位の歴史を辿ると... (2ページ目)
阪神が2008年以降のドラフト会議で獲得したドラ1は投手8人、野手5人になる。このなかで今季、年俸1億円に達している選手はひとりしかいない。2016年の大山悠輔(26歳)だ。
白鴎大から入団4年目の昨季、開幕直後はベンチスタートが続いたものの、巡ってきたチャンスで結果を残してスタメンの座を奪取。リーグ2位タイの28本塁打、リーグ3位の85打点をあげて、前年の4700万円から1億円に到達した。
阪神の日本人選手最高給は西勇輝の2億円で、糸井嘉男の1億8500万円が続く。FA組が1、2位を占めるなか、3位が2013年ドラ4・梅野隆太郎の1億1000万円で、大山がチーム4番目となる。ドラ1の素材が"本物"かどうかは今季の働きぶりにかかっているだろう。
ちなみに2021年度の阪神の年俸を見ると、2018年ドラ1の近本光司(26歳)は7500万円、2012年ドラ1の藤浪晋太郎(26歳)は6000万円。2013年ドラ1の岩貞祐太(29歳)は4700万円、2015年ドラ1の高山俊(27歳)は3000万円、2017年ドラ1の馬場皐輔(25歳)は2100万円、2019年ドラ1の西純矢(19歳)は1200万円となっている。
阪神に1億円プレーヤーの日本人が4人しかいないのも寂しいが、彼らドラ1の今季年俸の合計額3億4500万円がプロ野球全体の日本人選手今季年俸ランキング11位の中田翔(日本ハム)の3億4千万円とほぼ同じ、ということに驚かされる。裏を返せば、阪神のドラ1がいかにチームの中核選手に育っていないかを表しているとも言えるだろう。
「育てるのが難しい」とされる右の大砲には大山が名乗りをあげ、リードオフマンには大阪ガスから入団した3年目の近本が順調に成長している。大卒4年目の馬場や高卒2年目の西なども、これからの選手だ。しかし、それ以前に獲得したドラ1がもっと活躍していれば......とも思ってしまう。
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