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馬原孝浩の引退理由の真実。体のケアのせいで「試合中に眠くなった」 (3ページ目)

  • 森大樹●取材・文 text by Mori Daiki
  • photo by Kyodo News

 もちろん馬原の実績と経験をもってすれば、球団スタッフや指導者として球界に残るという選択肢もあったはずだ。なぜトレーナーとして、野球に間接的に関わることを選んだのだろうか。

「FAの人的補償で移籍した時のフロントもそうですし、コーチ陣の苦労も近くで見てきて、野球界の難しさを感じていました。そこに深く入っていくより、間接的に関わったほうが"恩返し"できるかもしれないと思ったんです。それがトレーナーの道に進んだ理由のひとつでもあります」

独立リーグ「火の国サラマンダーズ」のピッチングGMに就任した馬原(画像:リモート取材の切り取り)独立リーグ「火の国サラマンダーズ」のピッチングGMに就任した馬原(画像:リモート取材の切り取り) もし今、目の前にケガに苦しむ現役時代の自分がいたとしたら、馬原は「完全に治せます」と言い切る。プロでの実績とFA人的補償による移籍という特異な経験、そして専門家としての知見と技術を併せ持つ馬原は、誰よりも選手に近い立場で寄り添うことができるトレーナーであることは間違いない。

 馬原が専属トレーナーを務めている、元チームメイトのソフトバンク・岩嵜翔は、ケガから復帰したばかりで今後の完全復活が期待されている。選手としての経験と実績があるトレーナーの存在価値は、これから馬原本人と教え子たちが現役アスリートと共に証明していく。

(つづく)

■馬原孝浩(まはら・たかひろ)
1981年12月8日生まれ。熊本県熊本市出身。2003年ドラフトで福岡ダイエーホークス(当時)に自由枠で指名され入団。主にクローザーとして活躍し、オリックス移籍後も33ホールドを挙げるなど通算182セーブの記録を残して、2015年に引退。トレーナーに転身し、2020年10月には独立リーグ「火の国サラマンダーズ」のピッチングGMに就任することが発表された。
公式サイト>>

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