「2020年のFAは熱い」はずが...。
大物たちが残留するストーブリーグ事情 (3ページ目)
また、ビジネスパーソンは自分の好きなタイミングで転職して待遇改善する機会があるのに対し、プロ野球選手はそうではない。ドラフト指名された球団に入団合意すると、「保留制度」が適用されるからだ。
選手は所属球団との契約が満了しても、他チームと自由に入団交渉できない。高卒なら8年、大卒・社会人なら7年の登録日数を満たし、取得したFA権を行使して初めて「移籍市場」に出ることができる。保留制度という球団が極端に有利な契約環境に置かれるなか、自身の市場価値を高め、自らの意思で所属球団を決められるのがFAという権利だ。
今オフの動向が注目される、主な国内FA権保有者たちをリストアップした。市場に出ることで、他球団から価値をより高く評価されそうな選手が多くいる。
「ABC」は各選手のランクだ(推定)。Aは前球団での年俸が1〜3位、Bは同4〜10位、Cはそれ以下。AとBは前球団への補償が発生し、Cはそうでないため、「Bランクは獲得しにくく、Cランクは獲得しやすい」と言われている。
【投手】
・小川泰弘(ヤクルト)B
→30歳、年俸9000万円、今季は10勝8敗、防御率4.61
・井納翔一(DeNA)C
→34歳、年俸6100万円、今季は6勝7敗、防御率3.94
・澤村拓一(ロッテ)A
→32歳、年俸1億5400万円、今季は1勝3敗1S14H、防御率3.41
・松永昂大(ロッテ)B
→32歳、年俸7500万円、今季は0勝0敗3H、防御率0.00
【外野手】
・梶谷隆幸(DeNA)B
→32歳、年俸7400万円、今季は打率.323、19本塁打、53打点、OPS.913
・西川遥輝(日本ハム)A
→28歳、年俸2億円、今季は打率.306、5本塁打、39打点、OPS.825
投手では、ヤクルトのクローザー石山泰稚はFA権を行使せず、出来高を含め4年総額7億円で合意したと報じられた。また、今季パ・リーグのセーブ王の増田達至(西武)はFA権を行使して残留することとなった。シーズン途中に巨人からロッテに移籍し、持ち前の豪腕ぶりを発揮した澤村拓一は、海外FA権を行使しメジャー移籍を目指すことが濃厚だ。
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