2020.11.28

楽天5位・入江大樹は「映える男」。
MLBのショート級の守備は必見!

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Kyodo News

 身長185センチ、体重83キロ、右打ちの大型遊撃手で関西出身。仙台育英(宮城)からドラフト5位で楽天に指名された入江大樹は、そうしたプロフィールから「坂本勇人(巨人)二世」と書かれることが多いが、実際のところ坂本の再来なんてそう簡単に現れるものではない。

 とはいえ、入江にはメジャーの卵みたいな雄大な雰囲気を感じるから、見ていて本当に楽しい。

今秋のドラフトで楽天から5位で指名された仙台育英の入江大樹今秋のドラフトで楽天から5位で指名された仙台育英の入江大樹  これまで中学、高校とさまざまな指導を受けていただろうが、入江のプレーには「こう打ちなさい」とか「こう捕りなさい」といったように、誰かに教えられてきた型のようなものが見られない。すべての動きが自然で、堅苦しさのようなものがない。もっとはっきり言ってしまえば"入江スタイル"。

 自分自身で磨き上げたものなのか、それとも最初から勝手にできていたのか、打球の強さは一級品で、捕球だってバウンドの合わせ方が抜群にうまい選手だ。とにかくボールを追ってから、捕球、スローイングに至るまでの一連の動作が柔らかく、そして美しい。

 かつてアメリカの大学選抜チームが来日した時に彼らのプレーを何度か見たが、そのなかにはショートをやるために生まれてきたような長身の遊撃手がいたものだ。一つひとつの動きがダイナミックで、力強い。入江もまた、彼らに匹敵する逸材だと思う。

 あるベテランのスカウトがこんな話をしてくれた。

「メジャーには、サイズが大きくてうまいショートはいくらでもいます。日本だって数は少ないけど、いることはいます。金子誠(元日本ハム/185センチ)、田中幸雄(元日本ハム/184センチ)、鳥越裕介(元ソフトバンクなど/189センチ)......もっと前だと、水上(善雄)(元ロッテなど/184センチ)なんかも日本人離れした華麗なショートでした」

 華麗なショートのフィールディングを言葉で表現するのは難しいが、もし"映像"で見ることができるなら、入江ほど"映えるショート"もいないだろう。

「あれでもうひとつ腰が下がってきたら、ポカの心配もなくなるんだろうけどね」

 ベテランスカウトが入江についてそんな感想をもらした。私も同じことを考えていたが、彼の試合や練習を何度も見ているうちに、これが入江のスタイルではないか......という思いが頭のなかを支配するようになってきた。