名球会よりも難しい「永久欠番」。
各球団にどんな選手がいるのか (3ページ目)
なかには、入団した1球団で現役を終えた「フランチャイズ・プレーヤー」だって少なくない。
代表例を挙げれば、中日一筋32年の山本昌だ。通算219勝。NPB最年長の50歳での一軍登板を果たしながら、入団後一度も変更することがなかった背番号「34」が、引退翌年の2016年に新人の福敬登(ふく・ひろと)に継承されている。
中日でいえば、プロ野球史上初の1000試合登板、歴代1位の407セーブを樹立した岩瀬仁紀の「13」も、2019年ドラフト2位ルーキーの橋本侑樹が受け継いでいる。
多くのレジェンドたちが確固たる実績を誇りながら永久欠番の対象外となっているのは、球団の事情によるところが大きいのだろう。
背番号とは有限だ。ヤンキースのように「1ケタ台がすべて永久欠番」となってしまうと、今後、彼らを凌ぐほどのスーパースターが誕生した際に、背番号の選択肢が少なくなってしまう。エースナンバー「18」など、レジェンドの誇りを受け継ぐ象徴的な背番号が失われる可能性だって生じてくるわけだ。
こういった観点から論ずれば、「準永久欠番」はじつに有効的な措置である。
有名なのはイチローの「51」。オリックスは「ふさわしい選手が現れるまで」と欠番扱いにしている。
他球団では、90年代のヤクルト黄金期で中心選手だった宮本慎也の「6」と古田敦也の「27」などがある。2013年に不滅の24連勝を打ち立て日本一の原動力となった、楽天・田中将大の「18」などは、現在も空き番号となっている。
近年では、広島の前田智徳の「1」もそれに該当していたが、2019年に鈴木誠也が継承し、前田も認める不動の中軸に成長を遂げた。
永久欠番という名誉を手にする選手の出現は待ち遠しい。それと同じくらい、新時代のスターが往年の名選手の番号を背に躍動する姿にも、ファンは胸を躍らせるのだ。
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