DeNAは社会人No.1右腕の一本釣りか。不振、故障者続出の投手陣に必要
チーム事情から見るドラフト戦略2020〜DeNA編
今シーズンのDeNAには、何度も驚かされた。
まずは、プロ入り以来、昨年までの5年間で303試合に登板し、163セーブを挙げていた絶対的守護神の山﨑康晃が、開幕から本調子とはほど遠いピッチングが続くと、スパッと「中継ぎ」に配置転換されせた。
同様に、4年目・佐野恵太の「4番抜擢」だ。昨シーズン、89試合で打率.295、5本塁打......クリーンアップも務めて、一応の結果は出したものの、前任者・筒香嘉智(現・レイズ)との比較、ドラフト9位入団という"球歴"など、踏ん切りをつけられない材料はいくつもあったはず。おそらく日本人は、「4番・佐野」という発想にはたどり着けなかったのではないか。
社会人No.1右腕と評されるトヨタ自動車の栗林良吏 山﨑にしても、佐野にしても、アレックス・ラミレス監督の「とらわれない発想」を強く感じたものだ。
また、その日まで128試合にリリーフで登板し、プロ入り2度目の先発だった平田真吾が巨人相手に5回2失点の好投で、7年目にして初勝利を挙げた例もそうだ。
そんななか、一部で流れたラミレス監督交代の報道。個人的には少なくともあと2、3年は「ラミレス野球」を見たいと思っている。やはり、固定観念にとらわれない野球は、とても勉強になるからだ。
さて、ドラフトの話である。
山﨑康晃、今永昇太、濱口遥大、東克樹、上茶谷大河......2014年以降の5年間でDeNAがドラフト1位で獲得した選手たちだ。ちなみに、昨年まで5人合わせて91勝、163セーブ。すばらしい"成果"である。
1位指名の選手がチームの根幹になるのはどのチームでも共通していることだが、DeNAに関しては他球団以上にそこがチームづくりの肝となる。
山﨑に陰りが見えて、東も左ヒジの回復が見えず、今永も肩のクリーニング手術で長期の戦線離脱となった。そうした状況を鑑みれば、1位は投手しかないだろう。しかも、1年目から戦力になりうる実力派を少なくとも2人は獲得しておきたい。
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