2020.10.05

巨人ブルペンコーチが語った「鍵谷陽平の
重要性」と「増田大輝登板の裏話」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Koike Yoshihiro

 ブルペンの強みとは何だろう----。

 絶対的な抑えがいる、勝ちパターンの中継ぎがいる、左右のバランスが取れたリリーフ陣が揃っている......どれも正解に違いない。

 しかし、じつはもうひとつ、ブルペンを盤石にするファクターがある。それが勝てなかった試合を預ける"ユーティリティ"の存在だ。

 今年、セ・リーグのペナントレースは残すところ1カ月あまりとなってもジャイアンツが独走している。開幕から勝ち続けている菅野智之の存在は突出しているが、安定した戦いを支えているのはリリーフ陣の健闘だ。

 抑えのルビー・デラロサ、8回を任されているセットアッパーの中川皓太が盤石なだけでなく、左キラーながら右バッターをそれ以上に抑えている左の高梨雄平をシーズン途中、イーグルスから獲得したことも大きかった。

巨人ブルペン陣を陰で支えている鍵谷陽平 そうした勝ちパターンを確立するために見逃すことができないのが、あらゆる場面で登板し、試合を壊さない仕事をしている"ユーティリティ"、鍵谷陽平の存在である。ジャイアンツのブルペンを任されている村田善則コーチは、こう話した。

「鍵谷の存在は本当にありがたいですよね。相手バッターが右、左にかかわらず、僅差で競っていても、負けていても、勝ちパターンにつなぐ役割をしてくれます。鍵谷の存在は、ゲームを壊さないという意味で非常に大きいんです」

 たとえば7月31日、東京ドームのカープ戦。ジャイアンツの先発、畠世周が今季初先発ながら5回途中まで被安打1、失点1と順調なピッチングを見せていた。ところがジャイアンツが2点を取って逆転した直後の5回、畠はこの試合の52球目、會澤翼の頭部にデッドボールを当てて、危険球退場となってしまう。

 ここで急遽、登板したのが鍵谷だった。

 鍵谷は堂林翔太をショートゴロに打ち取り、田中広輔を空振り三振に仕留めて、この回をゼロで乗り切った。原辰徳監督もこの時の鍵谷について「急遽というなかでよく抑えてくれた。難しい状況とはいえ、自分の役割をしっかり果たしてくれた」と手放しで褒め讃えている。