2020.10.02

赤星憲広が「神走塁」の3人を比較。
技術度、センス、将来性を語った

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Sankei Visual

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 今季のプロ野球では、3人の足のスペシャリストに注目が集まっている。セ・リーグを独走する巨人の代走の切り札・増田大輝、昨年11月のプレミア12でも活躍したソフトバンクの周東佑京、元陸上部という異色の経歴を持つロッテの和田康士朗だ。それぞれ「神走塁」を披露して話題にもなっている。

 育成選手から這い上がってきた3人について、阪神で3年連続60盗塁以上、5度の盗塁王に輝いた赤星憲広氏は、「タイプの違い」や今後の期待についても言及した。


7月19日のDeNA戦で、キャッチャーのタッチをかいくぐって生還した巨人の増田──まず、3人の印象から聞かせてください。

「それぞれ、優れた走者に必要な"スリーS(スタート、スピード、スライディング)"を揃えていることは大前提。素晴らしい脚力と、思い切りのよさも兼ね備えています。それぞれリーグ上位のチームで活躍しているところも評価が高いですね。走りのタイプは微妙に違っていると思いますが」

──どういったところが違うのでしょうか。

「増田から言うと、彼は支配下登録されてからの経験が他の2人よりも少し長い(増田は2017年7月、周東は2019年3月、和田は2020年6月)だけあって、『技術の高さ』が光っています。より試合終盤の勝負を決する場面で起用され、何度も牽制された後でもすぐスタートを切れる。『相当に、いろいろ考えているな』という印象です。

 一方、周東は『センス』が際立っている。盗塁に限らず、とっさの打球の判断、ベースランニングの質もピカイチです。そして和田は、スバ抜けた『スピード』ですね。多少スタートが遅くてもセーフにできてしまう速さは脅威ですよ」

──それでは、個々の活躍について深堀できたらと思います。まずは増田選手ですが、10月1日時点での盗塁数は16個。失敗は4回で成功率は.800となっています。

「注目すべきは成功率の高さです。現在、20盗塁でセ・リーグトップを走る阪神の近本(光司)の成功率は.769(失敗6)。それも十分に高いですが、増田は絶対に失敗できない場面で、『絶対に走ってくる』というマークをかいくぐっての数字ですから。しかも早いカウントでスタートを切っている。ベンチで相当な準備をしているんでしょう」