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ソフトバンクのドラ1予想。
地元の超大器より即戦力スラッガーを狙う

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

◆2020年ドラフト戦略〜巨人編>>

 2017年のドラフトで清宮幸太郎(早稲田実→日本ハム)と安田尚憲(履正社→ロッテ)を外し、2018年は小園海斗(報徳学園→広島)と辰巳涼介(立命館大→楽天)を、そして昨年は石川昂弥(東邦→中日)を抽選で外したソフトバンク。

 これまでのソフトバンク打線を支えてきた内川聖一、松田宣浩、長谷川勇也が30代後半に差しかかり、いかに「強者(つわもの)」といえども陰りが見え、近未来どころか、来季の日本人スラッガー探しは急務だ。

 今年は3、4年後にスラッガーの期待をかけられる高校生は何人かいるが、即戦力となると、重複覚悟で佐藤輝明(近畿大)を1位指名するしかない。

3年春に東都大学リーグで首位打者に輝いた中央大・牧秀悟3年春に東都大学リーグで首位打者に輝いた中央大・牧秀悟 現在のチーム構成を見ても、若手野手は1、2番タイプばかりで、クリーンアップを任せられる選手は見当たらない。

 ドラフトというのは、意外と"クセ"がつくものだ。抽選に弱い球団はとことん弱いし、またその逆もある。ソフトバンクの場合も、今年1位で野手を獲りにいって外したら、立派な「1位野手外し」球団のレッテルを貼られてしまう。

 仮に佐藤を獲りにいって外しても、即戦力となるスラッガーを獲得しておかないと将来のチーム構成に穴が空く。

 右打者なら牧秀悟(中央大/内野手)に目がいく。とくに今年は打てる内野手が極めて少なく、牧を狙ってくる球団はほかにもありそうだ。1位を誰でいくかは、ドラフト当日まで悩むことになるだろう。

 個人的に注目しているのは、地元・福岡出身のパナソニック・片山勢三(内野手)だ。社会人2年目の昨年は不振に陥り、また176センチ、105キロの体型を疑問視する球団もあるが、もともとは圧倒的な飛距離を誇り、右打席から右中間スタンド最深部に運べる技術を兼備した優秀なバットマンだ。

 加えて、あまり評価されていないが、じつは俊敏性があってスピーディーな身のこなしができる選手で、サードも守れるんじゃないかと思っている。

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