青木宣親、38歳で本塁打量産の秘密。MLBレジェンドとの驚きの共通点 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

 1点入れば、まだ追いつける可能性が残されている展開での狙いすましたようなホームラン。さらに、1点も許されない状況で見せる果敢なダイビングキャッチや好返球。そのたびに、ベンチや球場が「まだいける」という雰囲気になったシーンを何度も見た。

 そうしたキャプテンの気迫あふれるプレーは、「試合はまだ終わっていないぞ」というチームメイトを鼓舞する言葉のようにも思えるのだった。

「そういうことはまったく考えていませんが、そう感じる選手はいるでしょう。ひとりで決めようとか、そういう気持ちではなく、つないでいくという意識です。それが"打線"になると思いますし、そこに意識があったほうが絶対にいい。やっぱり野球はひとりではできないし、チームプレーですから」

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 先日、高津臣吾監督はこんなことを口にした。

「チームは今、苦しい状況ですが絶対に流れはくると思っています。それまでしっかり我慢して、準備して、努力することを絶対に続けていきたい。チームがお祭り騒ぎのなかで野球ができる瞬間を待っています」

 青木に"お祭り騒ぎのなかの野球"のイメージについて聞くと、こんな答えが返ってきた。

「やっぱり勝つとそうなりますよね。これはどこのチームも一緒と思います。あと(今年は)お客さんが少ないことでいつもとちょっと違うかもしれません。応援があると野球をやっている感じがしますし、お客さんが多いほうがうれしい。やっぱり"音"はほしいですね」

 残り試合、青木がいいコンタクトヒッターとしてホームラン数を伸ばし、キャプテンとして"お祭り騒ぎのなかの野球"へとチームを導いてくれることを期待している。

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