宮西尚生「投げたくない時もあった」。北の鉄腕が語る折れない心の作り方 (4ページ目)
独自のメンタルの整え方について語った宮西 photo by Yasushi Ohta 実はプロ1年目、宮西は49試合を投げた時点で、心身の疲労から「もう投げなくていいです」と登板辞退を申し出ていた。この時に疲労困憊のルーキーを諭したのが、今も信頼関係が続く厚澤和幸コーチだった。
「あと1試合は何があっても投げろ。50試合を投げたというのは、リリーフで1年間働いたという証だ」
結果、ジャスト50試合の登板で1年目を終え、12年間「50試合以上登板」を継続した。しかし今季は新型コロナウイルス感染症の影響で、年間試合数は120と、前年より23試合も少ない。
「2020年は困難な状況下で試合数が減る。12年続けてきた50試合以上登板の継続も厳しいものになるでしょう。でも、この状況で記録をつなげられたら、達成感も例年以上になるはず。もちろん、自分自身にも期待しています」
数字のために投げているわけではない。チームへの思い、リリーフ投手全般の地位向上......。著書の中でも、投げ続けるための理由を熱く語っている。しかし一方で、先発ともクローザーとも違うポジションで投げ抜いてきた宮西には、誰よりもホールドや登板数といった数字に誇りと思い入れがある。
9月19日時点で、今季の登板数は36試合。残る41試合も、"北の鉄腕"は独自の投球術と折れない心を武器に、マウンドに立ち続ける。
■宮西尚生 初の著書
『つなぎ続ける心と力 リリーフの技&受け継ぐ魂のバイブル』(廣済堂出版)
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