熟男じゃなくて熟夫・川﨑宗則の再出発「息子にはこれからの俺を見てほしい」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Sportiva

松中信彦が独立リーグ指導者として伝えたいこと>>

 川﨑宗則、職業、プロ野球選手。

 福岡からシアトル、トロント、シカゴ。福岡へ戻って、次は台湾。そして今度の舞台は栃木だ。栃木と言えば、宇都宮餃子、とちおとめで知られるイチゴ、全国シェアが98パーセントのかんぴょうが名物ローテーションの表三本なら、じつは裏三本の名物もある。

「レモン牛乳、聞いたことあるな。牛乳にレモンが入ってるの? 香りだけ? 給食に出てくるのかなぁ......牛乳の匂いが苦手な子でもレモン風味なら飲めるもんね。これは栃木名物の煮イカか。これ、おれ、大好き。えっ、こりゃ、何だ? 耳うどん? 耳の形をしたうどん? うわーっ、これは斬新」

BCリーグの栃木ゴールデンブレーブスへ入団した川﨑宗則BCリーグの栃木ゴールデンブレーブスへ入団した川﨑宗則 独立リーグ、ルートインBCリーグはシーズンの終盤に差し掛かっている。残り20試合を切った9月7日、栃木県民球団、ゴールデンブレーブスの入団会見に臨んだ川﨑は、地元メディアから「栃木県民に自己紹介を」といざなわれ、こう切り出した。

「カワサキ、ムネノリと言います。今年、39歳、子どもは3人います。息子(小学校1年生の逸将君)はサッカーを習っていますけど、野球をやりたいと言って悩んでおります。3年生から入れようか、4年生から入れようか、だけどパパ的にはサッカーをやってほしいなぁとも考えています。ただ女の子が2人いますが、女の子にはぜひ野球をやって、栃木の女子チームに入ってほしいと思っております......今、4歳と1歳です(笑)。よろしくお願い致します」

 相変わらずのムネリン節、炸裂である。

 さらに「栃木ではどんなプレーを見せたいか」と問われ、こんな造語まで飛び出した。

「39歳、今は若干、ジュクってますが、ジュクオで......熟女じゃなくてジュクオというプレーを見せたいなと思っています。謙虚に、ルーキーのように、もともとはシッチャカメッチャカなタイプですけど、それを抑えて、ジュクオで、頑張りたいと思います」

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