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巨人・戸郷翔征の打ちづらさは天下一品。
藤原、根尾らを子ども扱いしていた (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 Abe Masahiko
  • photo by Koike Yoshihiro

 2017年夏、早稲田佐賀との1回戦。戸郷は立ち上がりからブンブン腕を振って、スリークォーターから激しく動く快速球とベース付近で急激に曲がるスライダーを武器に打者を圧倒。「打てるものなら打ってみろ!」と言わんばかりの表情も、2年生とは思えないたくましさがあった。

 7回に4連打で2点を失ったが、完投して11奪三振。なにより、長打を1本も許さなかったのが、優れた球威の証拠となった。

 甲子園でそんなピッチングを見ていたから、1年後に「宮崎選抜」の一員として侍ジャパン高校代表の「U18アジア選手権」壮行試合に2番手として登板し、5回1/3で9奪三振の快投にも驚かなかった。

 高校日本代表には藤原恭大(大阪桐蔭→ロッテ)、根尾昂(大阪桐蔭→中日)、小園海斗(報徳学園→広島)といった甲子園のスターが名を連ねていたが、彼らをまるで"子ども扱い"していた。

 腕の振りは荒々しく激しいのに、ボールはしっかりとコントロールされる。打者が嫌う"打ちづらい投手"の典型だ。しかも「打てるものなら打ってみろ!」と言わんばかりの表情に、迫力とたくましさを感じたものだ。

 むしろ驚いたのは、その年のドラフトで"6巡目"まで残っていたことだ。知名度も球速もそれほどあるわけではないが、"打ちづらさ"なら、この年の高校球界ではトップクラスだろう。

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