2020.02.22

根尾昂が1年目に痛感したこと。
2年目は「自分のスタイルを貫きたい」

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

 キャンプ午前中の打撃練習を見て、根尾昂の体が高校時代よりもひと回り大きく、たくましくなったことを感じた。それから約7時間後、夕方までみっちりと練習に明け暮れた本人にその印象を伝えると、ユニークな反応が返ってきた。

「今はちょっとしぼんでいます」

 どういうことか尋ねると、根尾はその心を語ってくれた。

「一日練習したあとなので。今はすごく食べ物を欲している状態なので、大きくなったことが伝わらないかもしれないです」

今季から外野にも挑戦している中日・根尾昂 普通のことを話しているはずなのに、不思議と理知的に聞こえる。高校時代から根尾の取材時の受け答えを聞いているが、その点はプロ2年目になっても変わらない。そして、丸一日練習して一時的にしぼんだとしても、体が強く、大きくなったことは確かなようだ。

「朝起きたときの感覚とか、体の調子は去年とはまるで違います。トレーニングの成果が出ていますし、それは冬から継続していることなので、いい芽が出ているかなと思います」

 プロ1年目は雌伏の年だった。2018年ドラフト会議で4球団から1位指名を受け、大きな期待を受けて中日に入団したが、スタートからつまずいた。

1月は新人合同自主トレで右ふくらはぎを肉離れして離脱。その後も左手人差し指や右ヒジを痛めるなど、故障が続いた。ファームでは打率.210、2本塁打、127三振。守備でもプロの壁に当たり、ウエスタン・リーグ108試合で遊撃のポジションにつき、24失策を喫した。シーズン最終盤に一軍を経験したものの、2打席2三振に終わった。