2020.06.21

西武・與座はすべてが魔球のインパクト。
「伝統の系譜」に名を連ねるか

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Koike Yoshihiro

「やっぱり来たな」と思った。ケガで「大丈夫か......」と不安に思った時期もあったが、あのアンダーハンドが使えないわけがない。

 西武3年目の與座海人(よざ・かいと)は、6月7日の中日との練習試合で4回を投げ4安打1失点と好投したのに続き、14日のロッテ戦でも6回途中まで2安打2失点。しかも5回までノーヒットに抑える完璧なピッチングをやってのけ、開幕ローテーションに名を連ねた。

初の開幕ローテーション入りを果たした西武3年目の與座海人 身長173センチの小柄なアンダーハンド。しかも球速は130キロ前後なのに、スライダー、カーブ、シンカーを交えたピッチングに打者はうまくタイミングを取ることができず、詰まり、泳がされ打ち取られていく。

 フルスイングさせないから、打球に力はなく、芯でとらえたとしても外野の定位置あたりで打球が失速する。

 ロッテとの試合では、荻野貴司、ブランドン・レアード、レオネス・マーティンをクリーンアップに据えたベストメンバーに対し、堂々のピッチングを披露。打線が一巡しても自分のタイミングで與座のボールをとらえた打者はいなかった。

 投手の仕事とは、突き詰めれば打者のタイミングを外すことだ。もちろん点を取られないことは大前提だが、打者に気持ちよくバットを振らせない。そういう意味で、與座のピッチングはまさに"投手の仕事"をまっとうしていた。