斎藤佑樹がスマホに永久保存。
大石達也とのラスト・キャッチボール (4ページ目)
大石達也とキャッチボールした理由を明かした斎藤佑樹 考え方も、性格も、ピッチャーとしての持ち味も、何もかもが両極端なふたり――大石はプロ9年目を終えたところでユニフォームを脱いだ。そして斎藤は今年、プロ10年目を迎えようとしている。
「よく周りから『大石くんがやめたね』って言われるんですけど、そういう時って僕、何て言えばいいんですかね。よく頑張ったよね、なんて言えないし、僕ももっと頑張りますとしか言えないでしょう。僕も自分のことで必死だし、大石も、もちろん福井も、それぞれそうだったと思うんです。ただ、大石は僕らのなかで最初に次へのスタートを切った。それを僕は、何かの節目と感じたんでしょうね。もともと僕は昔のことは忘れちゃうタイプなんですけど、時々、ポンと自分の気持ちが熱くなる瞬間が来るんです。
もう、大石とはプロ野球選手として一緒に野球をすることはないんだと思ったら、キャッチボールをしたくなった。だから大石に訊いたんです。キャッチボール、しようよって。そしたら『ああ、いいよ』って返ってきたんで、最後のキャッチボールをやることになりました。それにしても大石の投げるボール、そのままそっくりオレにちょうだいって思いましたよ。アニメにあるじゃないですか、そのパーツだけもらう、みたいな(笑)。大石の真っすぐ、低いところから筒の中をシューッと通って、ポンッと出てくる感じなんです。シューッ、ポンって......そのきれいな真っすぐ、オレにドッキングしてくれと、ホント、そう思いました」
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