山本昌も驚くヤクルト石川雅規の進化する技術。「200勝に届くと思う」 (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

 ちなみに、山本昌氏は39歳までに173勝を挙げ、40歳のシーズンに7勝、41歳は11勝、42歳は2勝、そして43歳のシーズンに11勝をマークして200勝を達成した。その後も50歳までマウンドに立ち続け、通算219勝で現役を引退した。40歳を過ぎても先発投手として投げ続けた理由をこう語る。

「若い頃は、とにかく猛練習の時代でした。無駄な練習も多かったかもしれませんが、それが血となり骨となり、その貯金があったから40歳を過ぎてもできた。その後は医療やトレーニングの進化もあって、あの歳までできたのだと思います。そういう意味ではいい時代を過ごせました。

 石川くんもそれに近い環境で過ごしています。肩やヒジ、体力は若い頃と変わっていないと思うので、あとは下半身の衰えをチェックして、ケガのないようにしてほしい。下半身が動かないと投げられませんからね。そのあたりは石川くんならわかっていると思います」

 開幕戦当日、山本昌氏は解説の仕事で神宮球場を訪れるという。

「石川くんとは一緒に練習(自主トレ)をしたこともありますし、僕を目標にしてくれているようなので、当日のピッチングが楽しみです。120試合という短いシーズンですけど、とにかくケガだけはしないように最後まで投げ切ってほしいですね。そして、チームには奥川(恭伸)くんというすばらしいルーキーが入団したので、将来、彼が日本のエースになれるよう、石川くんはその見本になってもらいたいですね」

 ちなみに、石川が開幕戦で勝利投手となれば、40代では1990年の村田兆治氏(ロッテ)以来となる。はたして、石川はどんなピッチングを見せてくれるのか。熟練のピッチングを堪能したい。

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